<金口木舌>沖縄の輝く星

 かつて旅人は北極星を道しるべにした。夜空に輝く北極星を見つめることで、目的地の正しい方角を知ることができた。長い旅路で迷わないための大切な存在だった

▼西原高校のマーチングバンド部がオランダで開催された世界音楽コンクールで頂点に立った。過去の大会で好成績を残した伝統校の実力を示した。世界一という目標を見据え、迷わずに進んだことで栄冠を手にした

▼全国高校総合文化祭では沖縄の生徒が奮闘した。かるた部門の予選では沖縄の合同チームが勝利を挙げた。前回の高文祭では勝てなかったようで、白星をつかむことを目指して練習を重ねたはずだ

▼コロナ禍で部活が制限され、練習時間は例年より大幅に減った。それでも目標の場所を見つめ続け、懸命に前進して結果を出した。どんな状況でもくじけなかった生徒たちをたたえたい

▼スポーツや文化など、沖縄の子どもたちは多様な舞台で活躍する。その姿は星のように輝いて県民を勇気づける。私たちが誇りを胸に前進する力を与える、かけがえのない存在だ。

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