3年生、夏物語2022 vol.1 バスケットボール男子 流れを変えるシックスマン福山侭(柳ケ浦3年)

バスケットボールにおいて、途中出場して試合の流れを変えるスーパーサブのことを「シックスマン(第6の男)」と呼ぶ。柳ケ浦の福山侭もそうだ。全国高校総体でチームは3回戦敗退となったが、福山は存在感を示した。中村誠監督は「3回戦の相手は地元の尽誠学園(香川)。完全アウェー、普段の試合とは全く違う環境でシュートを決めてくれた」と評価した。

福山は3点シュートを得意とする。尽誠学園戦での出場時間は17分弱で全体の半分も満たないが、12得点、その全てが3点シュートだった。また初戦となった2回戦の鳥取城北戦では、第4クオーターに試合を決定づける3点シュートを2本連続で決めた。「相手に流れがあるときに試合に出ることが多いので、強い気持ちを持って試合に入るようにしている」。シックスマンとしての心構えだ。

全国高校総体では試合の流れを変えた福山侭

南大分中から「全国の舞台を経験したい」と柳ケ浦に入学。1年生の頃は九州各地から全国大会を目指す実力者が集まるチームでアピールできず、客席で試合を見ることが多かった。中学時代エースとして活躍したプライドは打ち砕かれたが、中村監督の「お前はシュートタッチが柔らかい。いいシューターになるぞ」との言葉に奮起して、練習後もシュート練習を続けた。

2年生になった頃にはベンチメンバーに入ったが、出場機会は少なかった。それでも得意なシュートを磨き、最上級生になる頃には流れを変えるシックスマンとして自分の居場所を確立した。

福山の3点シュートは、チームの「飛び道具」として大きな武器となっている。「与えられた時間で自分の仕事をこなすことに徹している」。全国高校総体を前に左足首のじん帯損傷で大会出場も危ぶまれたが、1週間前に復帰して急ピッチで仕上げた。目標であるメインコート(8強以上)にはあと一歩届かなかったが、次こそはとの思いは強くなった。「これまでの部活動は苦しいことも多かったけど、今は楽しい。ウインターカップ(全国高校選手権大会)でリベンジしたい」と決意を語る。最後の公式戦に向けて、今日もシュートを打ち続ける。

ウインターカップでの活躍を誓った

(柚野真也)

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