大雨被害の国道8号、北陸自動車道、JR北陸線の復旧見込みは…福井県内の南北寸断続く 南越前町で1093戸断水

集落に流れ込んだ大量の泥の後始末をする住民ら=8月6日午後1時45分ごろ、福井県南越前町下新道

 8月5日の猛烈な雨で被害を受けた福井県南越前町などで、通行できなくなった国道8号、北陸自動車道、JR北陸線は6日も復旧が間に合わず、県内の南北交通寸断は続いている。同日の県災害対策本部会議では、同町の17集落1093戸で断水しているという深刻な被害状況が報告された。各地で復旧作業は本格化しているが、日常の暮らしを取り戻せる状況には至っていない。⇒国道8号の通行止め解除いつ?

 南越前町の複数箇所で土砂流出、斜面崩落した国道8号で、立ち往生していた118台の車は5日午後9時半、全車両の通行止め区間外への移動を完了。6日には道路の土砂が撤去され、緊急車両は通行可能になった。

 北陸道は上り線が武生インターチェンジ(IC)-敦賀IC間、下り線は敦賀IC―今庄IC間が通行止めになっており、解除時期は未定。道路を管理している中日本高速道路は「上り線は週半ばにも一般車両が通行できるようにしたい」としている。2万立方メートルの土砂が流れ込んだ下り線の復旧見込みは未定。

 鉄道も寸断状況が続き、関係者は対応に追われた。JR西日本金沢支社によると、少なくとも9日まで全区間で運休する特急サンダーバード、しらさぎの代わりに、6日から福井―金沢駅間で、臨時特急ダイナスターを10往復運行。JR福井駅では同日朝から、切符の払い戻しや変更のため「みどりの窓口」の外の駅コンコースに、約70人が並ぶ50メートルほどの列ができた。

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 6日に県庁であった県災害対策本部会議では、南越前町の被害状況が報告された。断水は17集落1093戸に上り、同町は福井市などから借りた給水車4台で対応した。県によると、同町の床上浸水は147軒、床下は約150軒。

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