日本初鍵盤ハーモニカ「メロディオン」初号機を公開捜索 メーカー70周年を前に衝撃発覚「1台もない…」 

教育楽器メーカーの鈴木楽器製作所(静岡県浜松市)は、日本初の鍵盤ハーモニカとなった同社製「メロディオン スーパー34」の捜索を開始した。公式ウェブサイトなどを通じて、製造期間や楽器の特長などを公開。国宝級となった1台の寄贈者を募っている。

鈴木楽器製作所は、小学校の音楽の時間でおなじみの鍵盤ハーモニカ「メロディオン」で知られる。スーパー34はメロディオンの初号機で、1961年(昭和36)に製造開始。同社が教育楽器メーカーとして急成長するきっかけとなった一品が、担当者は「弊社には保管品が1台もないんです…」と明かす。

同社は浜松市にある浜松市楽器博物館にも問い合わせたが、保管されていなかった。「オークションサイトなども探しましたが、見つからず。海外のマニアの方が持っていらっしゃるという情報はあるのですが…。ぜひとも、ご寄贈いただければありがたい」と、情報提供を懇願している。

製造期間は1961年から10年間。長さ45センチ程度、サイドカバーは赤色で、黒っぽい塩ビケースに入っていた。静岡県をで多く商品は流通されていたといい、現在57~75歳くらいの小学生時代に使われていた。当時は高価で、学校の備品として導入されていたという。

2023年に迎える同社創立70周年の節目に、お宝モデルを展示したい意向だ。担当者は「日本初の鍵盤ハーモニカを後世に伝えていきたい。学校の先生などをされていた方などで、お心あたりがあれば」と、いちるの望みにかける。お盆の帰省シーズン。実家で赤い鍵盤ハーモニカを見かけたら、ご連絡を―。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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