7月の長崎県内経済情勢「緩やかに持ち直し」 長崎財務事務所 2期ぶり引き上げ

 長崎財務事務所がまとめた7月の県内経済情勢報告は「緩やかに持ち直している」として2期ぶりに総括判断を上方修正した。
 個人消費は「緩やかに持ち直している」と判断を引き上げた。百貨店・スーパー販売額は、行動制限の緩和により来店客数が回復し、前年を上回った。コンビニエンスストア販売額も観光地や繁華街での来店客数が回復。ドラッグストア、家電大型専門店、ホームセンターの販売額は一部で巣ごもり需要の反動減がみられるが堅調に推移している。
 観光は、行動制限緩和や宿泊割引の対象拡大で、修学旅行客や個人客を中心に緩やかに持ち直しつつある。乗用車の新車登録・届け出台数は、半導体不足などの影響で納期が遅れ、引き続き前年を下回っている。
 生産活動は「持ち直している」と判断を維持。電子部品・デバイスが旺盛な半導体需要により回復。汎用(はんよう)・生産用機械は引き続き厳しく、生産高は減少している。大手造船は一定の受注残高と操業を維持する。
 雇用は、宿泊・飲食サービス業の求人数が増加。有効求人倍率も堅調で、緩やかに持ち直しつつある。
 先行きについては、景気回復への期待の一方、原材料価格上昇や供給制約、金融資本市場の変動などによる下振れリスクを指摘。木場和彦所長は「7月中旬以降の県内での新型コロナウイルス感染症急拡大は、今回の総括判断には反映されておらず、今後の影響を注視する必要がある」と述べた。 

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