FIA-F4第2世代車両のサプライヤーが決定。シャシーは東レ・カーボンマジック、エンジンはトムスが供給

 8月7日、スーパーGT、そしてFIA-F4をプロモートするGTアソシエイションは、スーパーGTの併催レースとして開催されているFIA-F4で、2024年シーズンより使用される第2世代車両のサプライヤー体制を発表。シャシーは東レ・カーボンマジック、エンジンはトムスが開発・供給することが明らかとなった。

 FIA-F4はF1を頂点とするフォーミュラレースの入門カテゴリーとしてFIA世界自動車連盟により制定され、2014年にイタリアを皮切りに各国でシリーズがスタート。日本ではGTアソシエイションがプロモーターとなり、2015年よりスーパーGTのサポートレースとして開催されている。

 トップドライバーを目指す若手の登竜門として、または、ハイアマチュアの活躍の場として多くのエントラントを擁する国内屈指のシリーズに成長。現在F1に参戦する角田裕毅(アルファタウリ)や、スーパーGT GT500クラスに参戦するドライバーを複数輩出するなど、多くの実績を残してきた。

 日本のFIA-F4では、2015年の開催初年度より童夢製シャシー『童夢F110』、そしてトムス製1987cc直列4気筒自然吸気エンジン『TZR42』が使用されてきたが、この第一世代車両はFIAの規則上2023年までとなる。そのため、2024年以降の開催を見据え、2021年9月にシャシー、エンジン、エンジンオイル、タイヤのサプライヤー公募が行われた。

 公募を経て、シャシーは東レ・カーボンマジック、そしてエンジンはトムスが開発・供給することに決定。また、2024年以降もタイヤはダンロップ(住友ゴム工業)が、エンジンオイルはペトロナス(ペトロプラン)、ホイールはTWS製となることも発表となった。なお、ブレーキパッドについては指定サプライヤー複数社から選択可能となる。

 注目の第2世代FIA-F4車両はHALOに代表されるFIAの安全要件に準拠。モノコックの側壁は従来比強度10倍、耐貫通性能は1.7倍と安全性が向上するとともに、エンジンは約20馬力アップの180馬力となる見込みだ。

 現在開発が進められている第2世代FIA-F4の車両は今年のスーパーGT第8戦もてぎにて、現車の公開が予定されている。マーケテイングと販売はGTアソシエイションが担当し、2023年1月より受注開始となる。初期ロットは35台生産を予定しており、2023年10月より、順次納車が開始される予定だ。

 第2世代FIA-F4車両のスペックは下記のとおりだ。

2024年シーズンより使用されるFIA-F4第2世代車両。シャシー名称は『MCS4/24』

■スペックシート

シャシー

名称・型式:MCS4/24

モノコック:HALO対応カーボンモノコック
前後インパクトストラクチャー

フロア・カウル:カーボンコンポジット
サスペンション:四輪ダブルウィッシュボーンインボードタイプ+前後スタビライザー

ブレーキ:前後4ポットキャリパー&ベンチレーテッドディスク
ギアボックス:6速パドルシフト オープンデフ
シャシー:Halo付カーボンモノコック
燃料タンク:FIA APPROVED FT3-1999 容量35ℓ
FIA規定エナジーストア搭載可能(ハイブリッドパワーユニット対応)
ステアリング:R&P
消火器:FIA APPROVED

全長/全幅/重心高:4,795/mm/1,750mm/335mm
ホイールベース:2,820mm
車両重量 重量比:575kg(空車)FR:RR40%:60%
トレッド:1,540mm/1,500mm
ホイール:Front 8.0J-13 Rear 10.0J-13
タイヤ:Front 195/550R13 Rear 240/570R13

エンジン

名称・型式:TOM’S TMA43
DOHC 16バルブ
ドライブバイワイヤ
排気量:1987cc
ボア/ストローク:80.5 mm X 97.6 mm 最大出力:180ps(予定)
排気系:触媒付き

記者会見に登壇した東レ・カーボンマジックの奥明栄社長
記者会見に登壇したトムスの谷本勲社長
2024年シーズンからのFIA-F4を支えるサプライヤーとGTアソシエイションの坂東正明代表

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