【第4戦GT500&GT300事件簿】まさかの走路外走行6回/突然のストップ原因etc.

 スタート前、各車がグリッドに着く頃にはコースを雨が濡らし、波乱の展開が予想されたスーパーGT第4戦富士。心配された雨の影響はほとんどなく、ビッグアクシデントやセーフティカー導入もない比較的クリーンなレースとなったが、いくつかのチームはアクシデントやトラブル、イレギュラーな事態に見舞われていた。

 ここでは、決勝終了後に取材できた範囲で、第4戦決勝中に起きた“イレギュラー案件”の真相に迫る。

■スーパーGTは「欧州とは違うところもある」とロベルト・メリ
 予選Q1ではロベルト・メリがベストタイムを記録した時に走路外走行があったとして該当ラップが削除され、GT300クラスの最後列からスタートしたTeam LeMans Audi R8 LMS。スタートからメリがダブルスティントを務めたが、1周目の混戦で8ポジションアップを果たすと、その後も順調に周回を重ねていき、一時はクラス4番手まで浮上するなど、順調な追い上げをみせた。

 しかし、レース中に何度か走路外走行があり、黒白旗が出されたのだが、その後も走路外走行が続き、合計6回に達したところで2度目の黒白旗が出された。これにより、ドライブスルーペナルティを受け、61周を終えたところでペナルティを消化。

 悪い流れは続き、途中のフルコースイエロー導入時に、減速が遅れてしまい、この件についてもドライブスルーペナルティを受けることに。最終的にトップから2周遅れの16番手でフィニッシュした。

「トラックリミットを取られてしまってドライブスルーペナルティになったのと、FCYの時にコミュニケーションがうまくいかなくて、減速が遅れてしまった。今回はすごくペースが良かったので、前の方でフィニッシュできるのではないかと期待していたけど、そういった問題があって叶わなかった」

 メリはF1の参戦経験があるほか、F2をはじめヨーロッパでは数多くのレースに参戦してきた実績があるのだが、走路外走行の部分も含めて、“ヨーロッパスタイル”が染みついてしまっているところは否めない様子。日本のスーパーGTのやり方への合わせ込みで苦労しているようだ。

「スーパーGTは、すごく素晴らしいシリーズだなと思っていて、たくさんタイヤもクルマも複数のメーカーが参戦していて、競争力も高い。異なるクラスが混走していて、全てにおいてやりがいがある」

「ただ、レギュレーション的な部分というか、ヨーロッパのレースとは違うところもたくさんあるから、そこに合わせ込むのが大変だなとは思っている。とはいえ、素晴らしいカテゴリーだよ」

 次大会については「鈴鹿は僕たちにとっては、難しいコースになるかもしれないけど、少してもパフォーマンスをよくして、コンペティティブな状態で臨みたいと思っている」とメリ。レース後も、少しでも状況を改善するべく、チーム関係者らとミーティングを重ねていた。(TY)

2022スーパーGT第4戦富士 Team LeMans Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ)
2022スーパーGT第4戦富士 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
2022スーパーGT第4戦富士 ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織)

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