市道や公園の照明全てLED化 10年で1億円超の経費削減見込む 佐野市

茂呂山公園(茂呂山町)に立つ水銀灯

 佐野市は6日までに、市内全域の市道や公園などにある約1750灯の照明全てを、来年2月から半年間で発光ダイオード(LED)に切り替えることを決めた。市有施設の街灯の7割を占める水銀灯の製造、輸出入が昨年1月に国際条約で禁止されたことなどを受け、集中的に取り組む。LED化により温室効果ガスの排出抑制や将来の経費負担の軽減が期待され、市の担当者は10年間で計約1億3千万円の削減を見込む。

 市によると、市有施設の街灯は水銀灯のほか、ナトリウム灯も3割弱使用している。ナトリウム灯の寿命は5、6年と水銀灯よりやや長いものの、ほとんどが更新時期を迎えているという。既に切れてしまった水銀灯やナトリウム灯は個別にLED化され、来年2月からの整備事業では残る約1600灯が切り替えの対象となる。

 事業者への発注方式はそれぞれ異なるものの、同様の取り組みは県や一部の市町でも進められているという。

 市の場合、設計や施工、維持管理を分割して発注する従来の分割発注方式でなく、一括して発注するDBM方式を採用。維持管理の期間は施工後10年間と設定する。

 岡部悦郎(おかべえつろう)都市建設部長は「短期間でLEDに交換することによる電気料削減などの事業効果を早期に現すことや、維持管理の効率化を図るため」と説明する。

 市は今後、公募型プロポーザル方式で事業者を選定し、来年2月に基本契約を結ぶ方針。

茂呂山公園(茂呂山町)に立つ水銀灯

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