重要伝統的建造物群保存地区の奈良井宿【木造駅舎カタログ】中央本線11/238 奈良井駅

※2021年09月撮影

トップ画像は、中央本線奈良井駅。贄川駅の駅舎とよく似た印象を受けます。作られた時期も同じです。宿場町の駅というのも共通。木曽路の山々を奈良井川が削った谷間にあることも変わりません。ただし奈良井駅は中央本線の西側に駅舎があり、線路の反対側に奈良井川、その向こうを国道19号線が通っています。

奈良井駅前は旧中山道、その旧道にそって重要伝統的建造物群保存地区の奈良井宿が800mほど続いています。南側の薮原駅との間には難所の鳥居峠があり古くは「奈良井宿千軒」と言われ多くの旅人で賑わいました。

※2021年09月撮影

昔の旅人が苦労した峠の難所を中央本線は新鳥居トンネル(2,157m)で抜けています。国道19号線も新鳥居トンネル(1,738m)でこの難所をクリアしています。鳥居峠は、北の奈良井川、南に流れる木曽川の分水嶺で信濃国と美濃国との国境でした。

奈良井宿の中町と上町の間にある「鍵の手」。小さな神社「荒沢不動尊」が祀られています。

※2021年09月撮影

奈良井駅は、1909年(明治42年)塩尻駅から中央東線が延伸され終着駅として開業。翌1910年(明治43年)隣の薮原駅まで中央東線は延伸。1911年(明治44年)線路名称制定で中央本線になりました。1972年(昭和47年)貨物取扱廃止。1985年(昭和60年)駅は無人化。1987年(昭和62年)国鉄分割民営化でJR東海の駅になっています。駅舎は、贄川駅と同様に開業時のオリジナルを宿場風に改修しています。

※2021年09月撮影

既に書きましたが、隣の薮原駅との間にある鳥居トンネル内に中央本線の最高地点があります。奈良井駅も標高934mでJR東海の駅では最高地点。贄川駅では郵便受けの様だった郵便ポストがこの駅は丸型の懐かしいタイプが奥に見えます。

※2021年09月撮影

駅前の道幅の関係で駅舎の真正面は撮れません。

※2021年09月撮影

駅出入口も、贄川駅とよく似ています。

※2021年09月撮影

姿勢を低くして大きな駅名標を撮ります。ホームは正面の改札口を出て左(北)の構内跨線橋で駅舎側の上り名古屋方面島式ホームと下り単式ホームに渡ります。待合室には駅員さんのいる窓口と観光案内所があります。

※2021年09月撮影

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)

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