うまく使えば、スマホの通信費を抑えられる? eSIMのメリットとデメリット

スマホ契約者の情報が記録されたSIMカードのデジタル版として注目されているのが「eSIM」。うまくeSIMを活用することで、スマホの利用や契約がスムーズになったり、物理SIMとeSIMのデュアルにすることにより、スマホの通信費を抑えられたりするケースもあります。ここではeSIMで得られるメリットを紹介していきます。


eSIMって何?

スマホでは、電話番号や契約者情報が記録された小型のICカード「SIMカード」を挿入することで(格安SIMなどでは通信設定が必要になる場合もあります)、音声通話やデータ通信が行えます。

eSIMは、このSIMカードと同等の機能がスマホに内蔵されているSIMのことをいいます。カードを挿入する代わりに「プロファイル」と呼ばれる契約・通信情報をダウンロードして書き込むことで、音声通話やデータ通信が利用できるようになります。契約手続きがインターネット上の操作で完結するため、申込みから開通までが早いなどのメリットが注目されています。

eSIM搭載のスマホは?

eSIMを利用するにはスマホ側での対応が必要となります。iPhoneやiPadは近年のモデルであれば概ね対応していますが、Androidではモデルによって対応・非対応が異なります。

・iPhoneの場合
2018年に発売されたiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR 以降(iOS 12.1 以降が必要)となります。iPhone SEシリーズも2020年に発売されたiPhone SE(第2世代)からeSIM対応となっています。

・iPadの場合
iPadではiPad mini(第5世代以降)、iPad(第7世代以降)、iPad Air(第3世代以降)、11インチiPad Pro(全世代)、12.9インチiPad Pro(第3世代以降)が対応しています。どれもWi-Fi+Cellularモデルである必要があります。

・Androidの場合
Android搭載スマホの場合、メーカー・モデルによって異なるため、購入前にeSIMへの対応を確認しましょう。一例としては、GoogleのGoogle Pixelシリーズ国内向けモデルでは、Google Pixel 4以降でeSIMを利用できます。

eSIMのメリットとデメリットは?

eSIMにはメリットだけでなく、物理的なSIMカードと比べてデメリットもあるので、確認しておきましょう。

eSIMのメリット

  • オンラインのみで即日開通する
  • 郵送や店舗でSIMカードを受け取る必要がない
  • SIMカードの不良や破損のトラブルが起こらない
  • 海外旅行の際でも現地回線のeSIMは契約が簡単

eSIMの一番大きなメリットは、契約したい、回線を使いたいと思ったときにオンラインですぐに契約できて、プロファイル(回線の設定)をダウンロードするだけですぐに利用できる点です。これにより乗り換えも手軽で、SIMカードの到着も待つ必要がありません。

eSIMのデメリット

  • 取り扱い事業者が限られている
  • 対応機種が必要になる
  • 開通手続きでネット環境が必要になる
  • 機種変更の際に再発行手続きが必要になる

一方デメリットも存在しています。やはりネックに感じるのは、まだまだ対応している事業者や端末が限定されているところ。キャリアやキャリアのネット専用ブランド(ahamo、povo 2.0、LINEMO)などでは利用できますが、格安SIMでは利用できる事業者は限定されます。

また、機種変更は多くの場合でeSIMの再発行手続き、事業者によっては再度本人確認などの手続きが必要になります。物理的なSIMカードではカードを新しい端末に入れ替えるだけで済むのと比べると、若干の手間もあります。

デュアルSIMって何?

近年のスマホにはSIMを2つ設定できる「デュアルSIM」対応モデルもあります。SIMカードとeSIMとのデュアルになっているモデルもあり、素早く追加できる2回線目としてeSIMとの相性も抜群です。

1台のスマホに2回線を備えておくことで、電話は回線が安いキャリア、通信は通信料が安いキャリアと分けて使えばお得になる可能性があります。また、通信障害で特定のキャリアでの通信ができなくなった場合でも、逃げ道として利用できるのも安心できます。こうしたデュアルSIMの2回線目として、素早く追加できるeSIMの即応性の高さは魅力的です。

なお、デュアルSIMの待受・通信方式は複数あります。近年のモデルでは「DSDS(もしくはDSDV)」対応モデルが増えています。特徴は以下です。
・DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)/DSDS(デュアルSIMデュアルVoLTE)
1.2回線のSIM、どちらの電話番号に着信があっても電話を受けることが可能
2.片方のSIMでデータ通信を行っている間にもう片方のSIMで着信を受けられる。
3.両方のSIMが4G(VoLTE)で利用できる(DSDV)

デュアルSIMを有効活用したい場合は、DSDS(もしくはDSDV)対応モデルを選ぶと良いでしょう。

まとめ

eSIMにはメリットだけでなくデメリットもありますが、外出をせずにすぐに契約・発行・利用できる通信方式として、eSIMは現代に求められるニーズにマッチしたサービスです。

店舗での手続きなどが不要になるので、eSIM対応スマホを持っているなら利用を検討するのも良いでしょう。もし、eSIM対応でないなら、次の機種変更ではeSIM対応スマホを選択肢に入れると、スマホの使い方の幅が広がります。

通信費が下がるかチェックしてみる;)

© 株式会社マネーフォワード