西海市の多目的船 「はやて3号」就航 災害発生時は救助活動などにも

就航した西海市の多目的船「はやて3号」=同市、崎戸港

 長崎県西海市崎戸町の崎戸港と江島、平島間の職員らの移動や患者の緊急搬送などを担う同市の多目的船「はやて3号」(16トン、定員12人)が7月28日、就航した。
 従来の「はやて2号」(15トン、定員同)が建造から25年以上たち老朽化が進んでいたため、辺地対策事業債を利用し新造。総事業費は約1億5100万円。
 アルミニウム合金製で全長約19メートル、幅約4メートル。2号より全長を約3メートル長くすることで、航行時の安定性を向上。最新鋭の機器を搭載し、バリアフリー化とともに車いすやストレッチャーでの乗降がスムーズにできるようタラップも装備した。ソファはベッドに変更でき、空気清浄機の設置など感染症対策も徹底。環境に配慮し、燃料を軽油に変更した。
 月、水、金曜日に運航し、介護サービスや医師らの送迎、施設の維持管理業務など地域行政の支援に活用。患者の移送や、災害発生時は救助活動などにも使用する。
 この日は地元関係者ら約30人が出席し同港で式典が行われ、杉澤泰彦市長は「何よりも平島、江島の方の安全安心のために、利用頻度の高い船になっていければ」とあいさつ。式典後は内覧と試乗があり、元消防局救急隊員で、栗崎地区行政区長の加瀬忠光さん(73)は「安定感があり、広い通路やベッドなど、緊急時にも十分対応できる」と感想を語っていた。


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