【訃報】ジ・インプレッションズの共同創始メンバー、サム・グッデンが87歳で逝去。その功績を辿る

The Impressions (左からCurtis Mayfield, Fred Cash, and Sam Gooden) play New York's Apollo Theater, circa 1965. Photo: Don Paulsen/Michael Ochs Archives/Getty Images

2022年8月4日、シカゴを代表するソウル/R&Bグループ、ジ・インプレッションズ(The Impressions)の共同創始メンバーであるサム・グッデン(Sam Gooden)が、彼の故郷であるテネシー州チャタヌーガで逝去したことが彼の娘ジーナ・グリフィンによって伝えられた。享年87歳。彼の健康状態は数年前から悪化していたという。

その生涯

1950年代後半、サム・グッデンは、後にソロ・スターとなるカーティス・メイフィールド、ジェリー・バトラー、そしてリチャードとアーサーのブルックス兄弟と共にジ・インプレッションズを結成。ジェリー・バトラー&ジ・インプレッションズ名義でリリースした1958年のシングル「For Your Precious Love」、そして「Come Back My Love」で成功を収めた後、ジェリー・バトラーがソロ・キャリアを追求するためにグループを脱退し、後任としてフレッド・キャッシュがラインナップに加わった。

ジェリー・バトラーの独立後、ABCパラマウントに移籍したジ・インプレッションズは、グループのリード・ヴォーカル、ソングライターとして頭角を現し始めたカーティス・メイフィールドのもと、R&Bチャートで1位に輝いた「It’s All Right」(1963年)、「Gypsy Woman」(1963年)、「Keep On Pushing」と「Amen」(共に1964年)、グラミー賞の殿堂入りを果たした「People Get Ready」(1965年)、「We’re A Winner」(1968年)、カーティス・メイフィールドの社会的メッセージがますます重要になりつつあることを示した「Choice Of Colors」(1969年)など、ソウル・ヒットを連発しながらポップス市場にも進出を果たしていく。

カーティス脱退後

1970年にカーティス・メイフィールドが脱退すると(当初はリロイ・ハトソンが後任だったが程なくして脱退)、サム・グッデンとフレッド・キャッシュがジ・インプレッションズを引き継ぎ、カーティス・メイフィールドのレーベルであるカートム・レコードに移籍した彼らは、1974年にエド・タウンゼント作曲の「Finally Got Myself Together (I’m a Changed Man) 」で再びR&Bチャート1位に返り咲いた。

さらに「Sooner or Later」と「Same Thing It Took」でもR&BチャートTOP3入りするヒットを記録し、1976年にはシングル「First Impressions」でグループ初にして唯一の全英チャートTOP20入りを果たしている。

サム・グッデンとフレッド・キャッシュは、1983年にジ・インプレッションズの再結成ツアーを行っており、1991年にはロックの殿堂入りを果たした。

カーティス・メイフィールドは1999年に亡くなり、音楽活動の傍ら政界へも進出したジェリー・バトラーは2018年に引退している。サム・グッデンの死により、現在81歳のフレッド・キャッシュがジ・インプレッションズ後期の最後のオリジナル・メンバーとなった。

Written Paul Sexton

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