ヤングケアラーを理解し支援へ 相模原市が職員・教員対象に研修会 「見過ごさないで」

ヤングケアラーへの支援の必要性を訴える日本ケアラー連盟の中嶋理事=あじさい会館

 家族やきょうだいの世話を担う18歳未満の「ヤングケアラー」について理解を深めようと、相模原市は、市職員や市立小中学校教員を対象にした研修会を初めて実施した。講師の日本ケアラー連盟の中嶋圭子理事は「ヤングケアラーは見過ごされやすい。知識を向上し、ケアラーの支援につなげてほしい」などと呼びかけた。

 研修は7月29日、あじさい会館(同市中央区)とオンラインで行われ、約130人が参加した。中嶋さんは、国実態調査で公立中学2年生の5.7%、公立の全日制高校2年生の4.1%がヤングケアラーだったことなどを紹介。きょうだいの世話や家事で時間がない上、「介護は家族がするもの」という思い込みなどで、ケアラーは人に助けを求めにくく、見えにくい存在であることを説明した。

 一方、支援がなければ、心身の健康や学校生活、学力などに悪影響を及ぼす。中嶋さんは「子ども自身だけの問題ではない。将来に不安を抱え、進学できない若者が増えるということは社会の問題でもある」と強調した。

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