3年生、夏物語2022 vol.2 バスケットボール女子 不完全燃焼のまま終われない。ウインターカップに向けて再起を誓う大分

初めての全国高校総体(インターハイ)は不完全燃焼に終わった。バスケットボール女子の大分は1回戦で土浦日本大学(茨城)に57-73で敗れた。楠本哲二監督は「精いっぱい持てる力を発揮した。ゾーンディフェンスは全国で通用するレベルになったが、リバウンドは課題。オフェンスで崩せなかったのは仕方ない」と総括した。

大会1週間前にエースのポイントガードが体調不良でメンバー外になるアクシデントがあり、チーム練習も制限された。コンディションが上がりきれないままの試合となったが、それでも対戦相手との身長差をカバーするために冬から取り組んだゾーンディフェンスは機能した。ディフェンスリバウンドは土浦日本大学の21に対し20と互角だった。第2クオーター途中まで接戦を演じたのは必死の守備によるもの。ただ、徐々に点差が離れた要因となったのはオフェンスリバウンドにあった。相手の20に対し9と大きく差をつけられた。キャプテンの岐津桜華(3年)は「自分たちの弱い部分であるリバウンドはディフェンスではある程度頑張れたが、オフェンスではまだまだ課題」と振り返る。

守備では手応えをつかんだ大分

また、攻撃においては代えの利かないポイントガードの欠場が痛かった。大分の攻撃の始まりは、ポイントガードがドリブルで相手を引き付けパスで崩すパターンが基本であったため、得点力が落ちたのは否めない。ただ、その状況で2年生のポイントゲッター緒方梨乃が奮闘した。力強いドライブからシュートを果敢に決め、両チーム最多の25点を決めた。緒方は「セットオフェンスから点が取れたし、全然やれると思った」と全国でも通用することを示した。

2年生の活躍に刺激を受けた3年生は再起を誓う。岐津は「1対1で負けないことが大事」と話し、急きょポイントガードの役割を担った長尾夢良は「一人に頼り過ぎないチームにならなければいけない。個人としては3ポイントシューターとして確実に点を取りたい」と明確な課題が見つかった。

現3年生は新型コロナウイルスの影響を大きく受けた学年だ。1年時は全国高校総体が中止となり、2年時は新型コロナウイルスの影響で県予選出場を辞退、3年生になってようやくつかんだ全国高校総体はベストメンバーがそろわずに終わった。だからこそ高校最後の大舞台となる全国高校選手権大会(ウインターカップ)に向けての思いは強くなった。まずは県予選を突破し、全国高校総体でかなえることができなかったベスト8を目指す。

両チーム最多の25点を決めた緒方梨乃

(柚野真也)

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