風味の違い楽しんで 秩父ワインが銀銅ダブル受賞 「ワインで奥秩父の土地潤す」源作印の味わい継承

受賞した白ワイン「甲州樽貯蔵2018」と「甲州シュール・リー2021」を紹介する、秩父ワインの島田昇社長(右)と村田道子取締役=2日、埼玉県小鹿野町両神薄

 国産ブドウを使用したワインの品質を競う「日本ワインコンクール2022」(7月開催)の甲州部門で、秩父ワイン(埼玉県小鹿野町両神薄)の白ワイン「源作印 甲州樽貯蔵2018」が銀賞に、「源作印 甲州シュール・リー2021」が銅賞に輝いた。コンクールには全国各地108ワイナリーが出品し、計706品のうち260品が入賞。秩父ワインは県内で唯一の受賞となった。

 秩父ワインは1940年に創業。「この土地でブドウを栽培してワインを造れば、地元が潤う」と、浅見源作さんが地元(旧秩父郡両神村)の畑でワイン製造に励み、「源作印ブランド」を確立させた。

 85年に源作さんが亡くなった後は、家族でワイン造りを継承。現在は島田昇さん(54)が5代目社長を務める。「お客さまに喜んでもらえるワインを造るために日々精進しているので、コンクール受賞は大きな励みになる」と島田さん喜びを語る。

 銀賞の甲州樽貯蔵は、甲州種ブドウを圧力をかけずに搾汁し、低温発酵後にフランス産オークだるの中でじっくり長時間寝かせた辛口。銅賞の甲州シュール・リーは、発酵後の白ワインを澱(おり)の上で熟成させたやや辛口。

 同社取締役の村田道子さんは「たる貯蔵は、独特の香りやコクが引き立つ。シュール・リーは果実の爽やかさが生きたスッキリした味わい。それぞれの風味や味の違いを楽しんでほしい」とすすめている。

 甲州樽貯蔵2018(720ミリリットル、税別3千円)は販売中で、甲州シュール・リー2021(同、税別2500円)は9月から販売予定。店舗のほか、同社の公式サイトでも購入できる。

 問い合わせは、秩父ワイン(電話0494.79.0629)へ。

© 株式会社埼玉新聞社