「日本は核禁条約参加を」 原水禁長崎大会 開催

改憲と敵基地攻撃能力についての講演を聴く参加者=長崎ブリックホール

 原水爆禁止日本国民会議(原水禁)系の原水爆禁止世界大会・長崎大会が7日、長崎市で開幕した。県内外から約700人(主催者発表)が参加し、核廃絶と平和への理解を深めた。
 同市茂里町の長崎ブリックホールであった開会行事で、川野浩一共同議長はロシアによるウクライナ侵攻に触れ「武力による侵略は絶対に許されない。あろうことか核の使用さえ示唆している」と批判。日本政府に対し核兵器禁止条約への参加と長崎の被爆体験者の救済を求めた。
 被爆体験者訴訟の山内武原告団長は経過を報告。「広島では黒い雨に遭った人の救済が進んでいる。長崎も黒い雨が降った。『被爆体験者は被爆者』との思いで最後まで頑張りたい」と述べた。
 8日あった6分科会の一つで、憲法や軍事に詳しい名古屋学院大の飯島滋明教授は「改憲と敵基地攻撃能力」をテーマに講演。2015年の安保法制成立により、台湾を巡り米中の武力衝突が生じれば自衛隊の派遣が可能になっているとして「(自衛隊基地がある)長崎県が攻撃対象になると認識することは重要」と指摘した。最終日の9日は閉会行事と平和行進を予定している。
 一方、原水爆禁止日本協議会(原水協)系の世界大会は8日、長崎市内に約100人を集め核抑止力論などの討論を予定していたが、複数のパネリストが新型コロナウイルスに感染したため中止した。最終日の9日は長崎市民会館(同市魚の町)で予定通り「ナガサキデー集会」を開く。


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