海星が完封勝利、2回戦へ 日本文理に11-0 西村が4安打4打点

【1回戦、海星-日本文理】7回表海星2死一、二塁、西村が右前へこの日4打点目となる適時打を放つ=甲子園

 第104回全国高校野球選手権第2、3日は7、8日、甲子園球場で1回戦計8試合が行われ、長崎県代表の海星は日本文理(新潟)に11-0で大勝し、前回出場の3年前に続いて夏の甲子園で1勝を挙げた。県勢としても3大会連続の初戦突破。海星は12日の2回戦第4試合(15時30分)で天理(奈良)と対戦する。
 海星は初回2死から丸本、森の連打で一、二塁とし、続く西村の三塁打で2点を先行。三回には河内の二塁打を足掛かりに内野ゴロで1点、六回には2死二塁から西村、柿本、牧、髙木の長短4連打で4点を奪った。相手エースが降板した後も攻撃の手を緩めず、七回に3点、九回に1点を追加。投げては先発宮原がバックの堅守にも助けられながら、今大会初の完封勝利を果たした。

◎好投手を攻略 西村4安打4打点

 完勝だった。海星がプロ注目の日本文理(新潟)エース田中を攻略して2回戦進出。4安打4打点と気を吐いた西村が「速いという感覚を持たず、普通のピッチャーだと思ってやった」と胸を張った通り、その打力は全国で十分に通用した。
 初回いきなり148キロを出した田中に1、2番が倒れたが、そのまま直球主体で押す右腕を逃さなかった。長崎大会で総打点の半数以上を稼いだ丸本、森、西村のクリーンアップがいずれも追い込まれた後に3連打。2死一、二塁から、西村が真っすぐで3球勝負してきた145キロに力負けせず右中間を抜いた。
 西村は六、七回にも適時打を放ち、10-0の九回は無死一塁でバントの構えから切り替えて中前へ。三進する森への送球間にすかさず二塁を陥れ、試合の大勢が決まった状況でも全く集中を切らさなかった。「自分がぶれたらチームがぶれる」と臨み、捕手としても好リードやピンチでの鉄壁のバウンド捕球で宮原の完封を演出した。
 11得点は春夏通算24度目の出場でチーム甲子園最多記録。加藤監督も「正直、夢を見てるくらい出来過ぎ。3点も取れないと思っていたので。次への勇気にもなった」。
 チームは今大会、ユニホームの「Kaisei」の左下に赤色で「NAGASAKI」を加えた。ともに甲子園を目指した県内のライバルたちの代表という誇りも胸に、この上ない内容で初戦を突破。校歌斉唱後、銀傘の下に心地よい拍手が広がっていった。「長崎、やるな」。そう言っているようだった。


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