国立映画アーカイブ 上映企画『サイレントシネマ・デイズ2022』が8月30日(火)より開催!

国立映画アーカイブでは、8月30日(火)より企画上映『サイレントシネマ・デイズ2022』を開催する。 世界各地で開催されている無声映画祭と同様に、生演奏を付けて無声映画を上映する企画。今回はバラエティ豊かに、イタリア、ドイツ、イギリス、ソ連、中国、そして日本映画を揃え、6プログラム7作品を上映。とくに、ウクライナの映像詩人と謳われるオレクサンドル・ドヴジェンコ監督の初期作『愛の果実』は、今回新たに日本語字幕を作成し、国立映画アーカイブ初上映となる。

『サイレントシネマ・デイズ2022』の見どころ

ウクライナの映像詩人 ドヴジェンコ監督の初期作『愛の果実』『ズヴェニゴラ』

ウクライナの映像詩人と謳われたドヴジェンコ監督の初期2作を上映。 初単独監督作『愛の果実』ではスラップスティック的な喜劇を繰り広げ、『ズヴェニゴラ』では、ウクライナに伝わる伝説とロシア革命の物語を大胆に織り交ぜ、空前絶後の個性的な演出で魅せている。あまりに独特すぎて、当時、ウクライナの映画担当の官僚は途方に暮れ、エイゼンシュテインに助言を求めた。その絶賛により、ドヴジェンコは一躍ソ連を代表する映画監督になったという逸話もあるほど。今もウクライナの国立映画センターに、オレクサンドル・ドヴジェンコ・ナショナル・センターとしてその名を冠している。

ダイナミックな復讐劇『火山での決闘』

アメリカの大学に留学して映画製作を学んだ孫瑜(スン・ユィ)は、1930年代上海映画を牽引した代表的監督。『火山での決闘』では、地主に一家を皆殺しにされた青年を主人公に、逃れた南洋の港町での踊り子とのロマンスから再会した敵との壮絶な戦いまで、ダイナミックな復讐劇が展開される。アメリカ映画を彷彿とさせる、スリリングな酒場での乱闘シーンはじめ見どころ満載。

モダンなラブ・コメディ『結婚適令記』

ハロルド・ロイド風な都会的喜劇俳優として売り出した杉狂児が主演した『結婚適令記』は、 き新聞記者が伯爵令嬢と先輩女性記者との間で右往左往する羽目になるモダンなラブ・コメディ。1930年代当時の社会風俗を織り込みながら、恋に仕事に奔走する青年像が描かれる。

上映作品リスト(6プログラム、7作品)

①『過去からの呼聲』(1921年、イタリア、監督:ジェンナロ・リゲッリ) ♪:上屋安由美 ②『ファウスト』(1926年、ドイツ、監督:F・W・ムルナウ) ♪:神崎えり ③『ロビンソン・クルーソー漂流記』(1927年、イギリス、監督:M・A・ウェザレル) ♪:田ノ岡三郎 ④『愛の果実』(1926年、ソ連、監督:オレクサンドル・ドヴジェンコ) ♪:鳥飼りょう 『ズヴェニゴラ』(1927年、ソ連、監督:オレクサンドル・ドヴジェンコ) ♪:鳥飼りょう ⑤『火山での決闘』(1932年、中国、監督:孫瑜) ♪:湯浅ジョウイチ、 丹原要 ⑥『結婚適令記』(1933年、日本、監督:青山三郎) ♪:柳下美恵 ♪=伴奏者(敬称略)

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