【医薬品制度部会】論点は3つ/「外部委託」「処方箋40枚規制」「敷地内薬局」

【2022.08.09配信】厚生労働省は8月5日、「令和4年度第1回厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」を開催した。この中で「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」(WG)とりまとめが報告されたが、日本薬剤師会(日薬)副会長の森昌平氏は、制度に関わる論点として「外部委託」「処方箋40枚規制」「敷地内薬局」の3つを挙げた。

敷地内薬局、「薬事制度としても決断の時期」/日薬・森氏

薬剤師WGのとりまとめは、薬局薬剤師の対人業務の充実や地域における薬剤師の役割など、広範な内容を取り上げているが、日薬の森氏は制度にかかわる論点として、「外部委託」「処方箋40枚規制」「敷地内薬局」の3つを挙げた。

「ここは制度部会でありますので、今後の薬局制度に関わる観点ということで外部委託、敷地内薬局、処方箋40枚規制、の3点について意見を述べさせていただく」(森氏)と切り出した。

その上で、外部委託に関しては、医療安全の担保や患者サービスの質の向上になるのかが前提となるとした。加えて、地域完結型医療について、「地域医療は地域の医療リソースによって行うことが基本」と述べ、「地域医療が壊れることがないようにしなくてはいけない」と懸念を表明した。
災害時や新興感染症蔓延などの有事に対応できるのかという視点、地域における薬局の機能低下をもたらさないかなどの観点での検討も必要とした。

薬剤師の員数規定である処方箋40枚規制については、医療の高度化、調剤業務の複雑化、対人業務の充実によって薬剤師1人当たりの処方箋受付枚数は、年々減少傾向にある現状を説明。その上で、「今後、さらなる対人業務の充実を目指す中で、薬局業務の質を担保する規制が必要であり、40枚規制の見直しをする必要性は理解できない」(森氏)との考えを示した。

加えて、敷地内薬局については、中医協や社会保障審議会などの場でも厳しい意見が表明されていることを指摘し、「どのような機能・役割を持っていようが、敷地内薬局である理由にはならない」とし、「日本の医療のためにどうすべきか、行政も考えていただきたい。日本の医療のために薬事制度としても決断の時期だ」(森氏)と主張した。

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