馬毛島自衛隊基地計画 西之表市長の「配慮」発言、どう評価? 賛成派は「歩み寄り」 反対派は「矛盾」と反発 両派幹部が対面で意見交換

馬毛島

 鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画を巡り、地元の賛成、反対両派の主要団体幹部4人が同市で意見交換した。八板俊輔市長が計画への態度を9月にも表明するとみられる中、両団体は暮らしへの影響を指摘しつつ、「市民ももっと関心を持ち、市の未来像を議論してほしい」と訴えた。

 意見交換は南日本新聞が両団体の取材の一環として7月30日、同市で開いた。賛成派の政治団体「西之表市と馬毛島の未来創造推進協議会」の鮫島忠雄会長(70)と杉為昭事務局長(55)、反対派の市民グループ「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」の山内光典会長(71)と迫川浩英事務局長(66)が出席した。

 基地整備の賛否を明言していない八板市長は2月、防衛省に米軍再編交付金や隊員居住への「配慮」を要望し、市民に波紋が広がった。反対派は「『基地建設は失うものが大きい』としていた従来の発言と矛盾する」と反発。賛成派は「情勢が変わり、歩み寄りを見せた」と推察した。

 一方、八板市長が7月、計画の是非を判断する材料として、防衛省に21項目の確認事項を提出したことには両派とも理解を示した。

 国や市の情報提供のあり方には、両派とも「市民に説明し、意見を聞く場が必要だ。誤った情報が広まれば市民間の溝が大きくなっていく」と注文を付けた。

馬毛島への自衛隊基地整備計画を巡り、意見交換した賛成、反対両派の団体メンバー=7月30日、西之表市

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