宇宙衛星データやドローンの空撮画像も研究素材。 医療、農業、産業をアップデートする情報工学×経営科学

工業大学ならではの生のデータを活用し、

研究・分析を行う経営情報学部を開設

「本学は工科系大学として、北陸を中心とした医療機関、自治体、農業協同組合、メーカーなどと連携してきました。こうした団体や企業からの生のデータを使った研究や分析ができるというのが、本学で学ぶ最大の魅力です」

そう話してくれたのは、現・環境情報学部経営情報学科主任の馬場口登教授だ。

福井工業大学では、2023年4月、同学部同学科を発展させるかたちで、経営情報学部経営情報学科の設置を目指している。近年、データサイエンス系の学部が増えているが、「工科系の大学であるという点で、差別化を図りたい」と自信をのぞかせる。

たとえば同大学では、2019年、医工連携と産業DXの研究推進を目的に、本格的な産学連携・研究を行う「AI&IoTセンター」を開設。センターでは、衛星データやドローンによる空撮画像とIoT・ソーシャルデータを掛け合わせ、AI解析を行うことで新たな価値の創出に取り組んでいる。

2023年には、あわらキャンパス内に、口径13.5メートルのパラボラアンテナを設置。JAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同研究により、月軌道を飛行する宇宙探査機との交信を行う衛星地上局としての実証実験を開始する計画も進行中だ。

「新学部では、センターと連携して演習や実習を強化する予定で、最先端の研究に触れられる機会提供していきます。また国内の大学・民間では、月軌道までの衛星運用が可能なアンテナを持つ施設はほかになく、貴重な学びができることは間違いありません」

またカリキュラムは、学生自身の興味・関心にあわせて柔軟に選び取っていけるよう、文理横断型の学びを特徴としている。1年次に総合的な知識を習得後、2年次からは「データサイエンスコース」「経営システムコース」から専門を選択し、学びを深めていく。

卒業後の進路として想定されるのは、IT企業や会計事務所など情報や経営に関連する企業・団体へ の就職、データサイエンティストや高校教諭。また、自ら起業することも期待される。

現・環境情報学部経営情報学科では、こうした恵まれた学修環境を背景に、「地方創生ハッカソンin福井」での優勝者や、「北陸イノベーショントライアル」で3年連続入賞を果たすなど、未来をリードする人材を輩出してきた実績がある。

「5年先ぐらいの未来を想像し、自身がどうなっていたいのか、それを実現するためには何をすればいいのか。自ら考えて勉強していってほしいですね。そのための学修環境は整備していきます」と馬場口教授。

最先端の環境に触れ、実現したい未来・社会を創造する力を養ってほしい。

少人数教育を重視。地域の課題をチャンスととらえ、経営×ICTを学ぶことで新たな価値を生み、課題解決のエンジンとなる人材の育成を目指す。

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