<新型コロナ>心ない言葉、医療従事者に…知事「協力して」 負担軽減で自宅療養者への対応簡素化も検討

新型コロナ自宅療養体制の簡素化も

 新型コロナウイルスの新規陽性者数が高止まりしていることを受け、埼玉県は9日、医療提供体制などについて諮問するため専門家会議を開いた。会議後、オンラインで報道陣の取材に応じた大野元裕知事は、コロナ病床の体制は据え置く考えを示した一方、連絡が途絶える自宅療養者の追跡が「(保健所の)大きな負担になっているのは事実」として、重症化リスクが低い場合、体調悪化時の連絡先を伝えた上で追跡を行わない簡素化などを検討していると明らかにした。

 県は自宅療養者の健康観察体制の拡充を進め、最大9万6千人まで対応可能としたが8日時点で9万7千人を超えた。県感染症対策課は「9万6千人は目安で、例えば10万人に達しても大丈夫。すぐに簡素化はしないので、自宅療養者は健康状態の入力などを必ずしてほしい」と話した。

 また、大野知事は最近の感染の第7波では今年2月ごろの第6波に比べ、医療機関の職員や入院患者が5人以上感染するクラスター(感染者集団)が多発していると説明。医療機関のクラスター件数は倍、感染などで休む医療従事者は約3倍となっているとした。また、「医療従事者への心ない言葉が散見される」とし、「医療機関の負担を軽減することが一般医療を含め、命を救う鍵となるので、医療機関に協力してほしい」と県民に呼びかけた。

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