気象庁は10日(水)、エルニーニョ監視速報を発表した。ラニーニャ現象が続いており、今後、秋の間に平常の状態になる可能性もある(40%)が、冬のはじめまでラニーニャ現象が続く可能性の方がより高い(60%)。
7月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は-0.3℃ で、一時的に基準値に近い値まで上昇したが、ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の5月の値は-0.7℃で、9か月連続して-0.5℃以下となった。
大気海洋結合モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が、貿易風の強い状態が続くために、冬のはじめまでは基準値より低い値か、基準値に近い値で推移すると予測している。以上のことから、秋の間に平常の状態になる可能性もある(40 %)が、冬のはじめまでラニーニャ現象が続く可能性の方がより高い(60 %)。
エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。