◆横浜DeNA4-1阪神
冷静なゲームメークに徹する29歳は、強固な意志を体現した。7回4安打1失点で約1カ月ぶりの4勝目をつかんだ石田は「(今永、浜口と)良い流れで勝っていたので、僕自身も流れに乗って全力で投げた」と充実の汗を拭った。
この日は子ども向けイベント「キッズスターナイト」。次世代へ届けたい思いが二つあった。
「一人でも多くの子に野球をやってもらいたい。そういうプレーができたら」。原体験がある。野球を始めた幼い頃、祖母と広島市民球場に足しげく通い、佐々岡真司氏や黒田博樹氏に焦がれた。
広島県出身の左腕にとって、野球ができる幸せをかみ締める8月である。今年も6日には原爆投下時刻にあわせて黙祷(もくとう)した。「小学生の頃から教えられてきて、平和であってほしいと願うことは大人になった今も大事なことだと思う。子どもたちにもしっかり分かってほしい」。普遍的なメッセージを込めた今季最多102球だった。