自由な空想の世界広がる 益子の飯山太陽さんが茂木で個展

「1年をかけて描いた」という大作「全てはこの瞬間のために」と飯山さん

 【茂木】益子町益子、アーティスト飯山太陽(いいやまたいよう)さん(22)の個展が17日まで、ふみの森もてぎで開かれている。頭に思い浮かぶさまざまなイメージやモチーフを、近未来的な世界として自由奔放に描いている。

 絵は独学で学び、にぎやかで色彩豊か。自由でとらわれない空想の世界が広がる一方、思索的な問いも秘める。極めて緻密に描き込まれているのも特徴だ。

 飯山さんには、新しい情報の記憶や、漢字を意味として捉えることが苦手な障害がある。それを逆手に、「形として面白い」と漢字を自在に組み合わせて一見文字に見える作品に仕立てたり、モチーフにしたりして作品の魅力の一つに加えている。

 個展では、2013年から今に至る作品の大半を見ることができる。中学2年の頃から描き続けたオリジナルキャラクター「ぽぽる」を集めた「ぽぽる図鑑」(14年)などに始まり、「全てはこの瞬間のために」(21年)、「下町御釈迦(おしゃか)」(22年)などの大作まで約100点を展示している。マネキンの胴体を用いた立体作品5点も初めて展示した。

 開幕初日に訪れた栃木市岩舟町畳岡、自営業旭岡美幸(あさひおかみゆき)さん(55)は「過去3回の個展にも足を運んだファン。緻密ながら広がりがあり、自由な発想は、自分が枠にとらわれていることを自覚させられる」と作品に見入っていた。

 飯山さんは「展示を見て日常生活から解放されるような気持ちになってもらえたら」と話した。

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