調理や薪割り、フェザースティック作りなどアウトドアには欠かせないアウトドアナイフ。でも、ナイフの世界は奥が深く、アウトドア初心者にとってナイフ選びは難しいものです。そこで本編ではアウトドアナイフの知識と選び方を解説!さらにおすすめの18アイテムをシーン別でご紹介していきます!
アウトドアナイフってどんなナイフ?
アウトドアナイフとは、アウトドアに適した切れ味かつ携帯性に優れたナイフのことを言います。
キャンプに限らず、登山や釣り、ツーリングなど、多様なアウトドアシーンに使えるため、「アウトドアナイフ」と一言に言っても形状は様々。
用途に合わないナイフを選んでしまうと買い直す羽目になりますので、アウトドアナイフの知識と選び方を学んで最適な1本を見付けましょう!
まずは選ぶ際のポイントやブランドをご紹介しまていきますので、おすすめ商品に進みたい方は目次よりスキップしてくださいね♪
アウトドアナイフを選ぶ際のポイント
まずは、アウトドアナイフを選ぶ際にチェックするポイントを見ていきます!
ポイント1:種類
アウトドアナイフは主に、シースナイフ、フォールディングナイフ、ツールナイフの3種類に分類されます。
シースナイフ
ブッシュクラフトに適しているのが、ナイフから持ち手部分までが繋がっている「シースナイフ」。
折り畳みできないものの、薪割りにも耐え得るタフなナイフです。
特にフルタングと呼ばれる刃から持ち手の先まで鋼材が入っているタイプは強靭で、激しいバトニングに向いています。
シースナイフの「シース」は鞘(さや)を指し、刃を鞘に収納することからそう呼ばれています。
フォールディングナイフ
刃を折り畳んで持ち手部分に収納できるナイフを「フォールディングナイフ」と言います。
携帯性に優れており、キャンプでの調理の他、登山時にも便利。収納時は刃がむき出しにならず安全なので、小さなお子さんのいるファミリーキャンパーにも人気です。
ツールナイフ
缶切りやハサミ、ドライバーなどの便利な機能を複数持つフォールディングナイフを「ツールナイフ」と呼びます。ナイフはかなり小さいのでサブ使いがおすすめです。
携帯性に優れ幅広い用途に使えるので、災害グッズにひとつ入れておくと便利!
「アーミーナイフ」や「マルチツールナイフ」とも呼ばれます。
ポイント2:素材
ナイフの素材はステンレスと炭素鋼(カーボン)が主流です。
それぞれの特徴を理解して選びましょう!
ステンレス
丈夫で錆びにくく、手入れが簡単なので初心者におすすめの素材。
切れ味はカーボンに劣るものの、メンテナンスに自信のない方はステンレスを選んでおけば間違いありません。
カーボン
切れ味抜群な反面、錆びやすいデメリットを持つカーボン。
ステンレスに比べると手入れの手間が増えるので、刃を研ぐ作業などのメンテナンスも含めて楽しみたい人におすすめの素材です。
ポイント3:ブレード(刃)の形状
素材に加えて、ブレードの形状によっても切れ味や研ぎやすさに違いが出ます。
ブレードの形状は主に、ホローグラインド、フラットグラインド、スカンジグラインド、コンベックスグラインドの4種類。
ホローグラインド
ブレード面をくびれるような形状に仕上げた「ホローグラインド」は、薄刃による抜群の切れ味が特徴。
写真のナイフを見ていただくとわかる通り、ラインの入っている中心部から刃先に向かって細くなっています。
この特徴的なグラインド法によって、パワー、軽量、優れた切れ味を実現させているんです。
フラットグラインド
刃の断面がV字になるように側面を平に仕上げた「フラットグラインド」。適度な切れ味と強度を持ち、調理に加えブッシュクラフトにも使用できるバランス型です。
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ホローグラインドとフラットグラインドの刃先には、薄刃を守るために鈍角に付けられた1㎜程の小刃「マイクロベベル」が付いています。研ぐ際にはコツがいるのでYouTubeなどで勉強しましょう!
スカンジグラインド
ブッシュクラフトナイフの多くに採用されている「スカンジグラインド」。ブレードの中心部あたりから広めに刃付けされており、耐久性に優れ、研ぎやすい特徴があります。
コンベックスグラインド
主に鉈や斧に使用される形状で、蛤(はまぐり)刃とも呼ばれる「コンベックスグラインド」。刃の形状が側面に膨らんでおり、厚みがあるため重量も加わり非常に丈夫。
ただし、切れ味は上記の3種類に劣ります。
ポイント4:グリップの形状や素材
握ったときのフィット感も重要です。手にフィットしていないと無理に力を入れてしまって怪我につながるケースがありますので、店頭で確かめられない場合は口コミで確認しておきたいですね。
また、すっぽ抜け防止のために滑らない素材かどうかもチェックしておきましょう。ラバー素材などの滑り止め効果のあるタイプがおすすめです!
ポイント5:ヒルトの有無
切れ味抜群のキャンプナイフの扱いに不安を感じている方は、ナイフと持ち手の間に「ヒルト」という指をガードする出っ張りがあるナイフがおすすめです!
万が一ナイフの使用中に手が滑ってしまっても、ヒルトに手が引っかかるので、手が刃に接触するのを防いでくれます。
キャンプナイフの人気ブランド
キャンプナイフを選んでいく前に、大定番の人気ブランドを抑えておきましょう!
歴史があり、キャンパーから厚い信頼を獲得している人気ブランドを3つピックアップしました。
モーラナイフ(Mora Knife)
創業130年の、スウェーデン・モーラ地方発の老舗ナイフブランド『モーラナイフ(Mora Knife)』。
スウェーデン王室御用達の品質認定を受けており、スウェーデンに限らず世界中から支持を得ています。
アウトドアシーンで活躍する人気モデルを多数排出しており、シンプル構造による頑丈さ、使い勝手の良さ、手頃な価格帯などが人気の秘訣。
オピネル(OPINEL)
『オピネル(OPINEL)』は、フランス発の老舗ナイフブランド。持ち手にブナの天然木を使用した、ナチュラルかつスタイリッシュなデザインのフォールディングナイフが人気です!
このフォールディングナイフには安全に配慮されたロック機構が備わっており初心者でも安心して使えます。
ビクトリノックス(VICTORINOX)
ツールナイフで知られるスイスのブランド『ビクトリノックス(VICTORINOX)』。ナイフに限らず時計などの革新的&高品質な製品を世界中で販売しています。
手頃な価格帯から販売されており、種類やカラー展開豊富なのでプレゼントにも人気!
ブッシュクラフトを本気で楽しみたい方向けおすすめナイフ5選
それでは、おすすめのナイフを見ていきましょう!
まずは、ブッシュクラフトに耐え得る強靭なボディを持つナイフを4つご紹介します。
モーラナイフ/ガーバーグ
モーラナイフの中でも耐久性が高く、ブッシュクラフトに人気のモデル『ガーバーグ』。
フルタング構造で、3.2mmの厚みのある刃によって、激しいバドニング(薪割り)にも頼りになるナイフです。
直角にグラインドされたブレードの背の部分で火起こしも可能。ブッシュクラフトを思う存分楽しみたい方におすすめです!
モーラナイフ/ブッシュクラフト ブラック
オールブラックのクールなナイフ『モーラナイフ/ブッシュクラフト』。カーボンならではの抜群の切れ味と、フルタング構造の強靭な3.2㎜刃でバトニングはおまかせ!
フェザースティックやスプーン作りなどの繊細な作業も得意。とにかくクールにブッシュクラフトをキメたい人はぜひチェックしてみてください。
コンドル/ブッシュクラフトベーシックナイフ
1万円以下で購入できる強靭なフルタングナイフとして人気なのが『コンドル・ブッシュクラフトベーシックナイフ』。
モーラナイフと比較すると高価ですが、ガシガシ使っても刃こぼれせず、フェザースティック作りのような繊細な作用もこなせるナイフとして人気です!
高級感を感じさせるウォールナットの持ち手と革製のシースも魅力。
▼『コンドル・ブッシュクラフトベーシックナイフ』を使って、ブッシュクラフトナイフについて解説しています!
ビクトリノックス/アウトドアマスター L
2万円を超える高価格商品でありながら高い評価を得ている『ビクトリノックス/アウトドアマスター』。SとLの2サイズ展開。
堅牢なフルタング構造によって安定感のあるバトニングを実現します。付属のファイヤースターターはシースにセットでき、ナイフの背で火起こしが可能。
全体的なシルエットや質感、持ち手の模様、強靭さ、全てにおいて完璧と言える一生モノのキャンプナイフです。
ユニフレーム/UFブッシュクラフトナイフ
刃圧3.5㎜の屈強なブレードを持つ『ユニフレーム/UFブッシュクラフトナイフ』は、6千円以下の低価格で購入できる、Made in JAPANのコスパに優れたナイフです。
グリップしやすい素材と形状により、激しい薪割りからフェザースティックまでOK!ナイフの背にファイヤースターターを擦り付けて火起こしも可能です。
ブッシュクラフトデビューにいかがでしょうか?
料理メインで使いたい人におすすめのナイフ5選
続いて、アウトドアクッキングを得意とするナイフをご紹介します!
オピネル/ステンレススチール
オシャレなキャンプ飯と相性抜群な『オピネル』のフォールディングナイフ。抜群の切れ味を持ち、驚くほど簡単に筋のあるステーキも切れちゃいます!
手入れが面倒に感じる方や初心者は、扱いやすいステンレス製がおすすめです。
オピネルナイフがテーブルにあるだけでキャンプの雰囲気は爆上がり!キャンプ飯を楽しみたい人はオピネルナイフを1本用意しておくと良いでしょう。
オピネル/カーボンスチール
ハピキャンの番組でも登場した『オピネル/カーボンスチール』は、先述のステンレス刃タイプよりもよく切れます。
ただし、水や果物の酸によって錆びやすいのがデメリット。そんな時は「黒錆加工」を施すと錆びにくくなりメンテナンスがラクになりますよ。
初心者の方も切れ味抜群のカーボンに挑戦してみてはいかがでしょうか?
▼黒錆加工のやり方も解説!
モーラナイフ/コンパニオンステンレス
『モーラナイフ/コンパニオンステンレス』は、「調理もバトニングもどちらもやってみたい!」というキャンプ初心者におすすめ!もちろんベテランにも愛されている優秀なナイフです。
先にブッシュクラフト用として紹介した『コンパニオンヘビーデューティー』との大きな違いは、刃の厚みです。
コンパニオンの刃厚はステンレス2.5㎜、カーボン2㎜に対して、ベビーデューティーはステンレス・カーボンともに3.2㎜。
3.2㎜は調理できないわけではないもの、ニンジンなど固い食材を切ったときに割れてしまうことがあるため、調理でもよく使いたい方はコンパニオンを選ぶと良いでしょう。
ユニフレーム/ギザ刃キャンプナイフ
『ユニフレーム/ギザ刃キャンプナイフ』は、軽量さとコンパクトさを求める人におすすめの調理向けフォールディングナイフ。
先端のギザ刃は魚や肉をさばく時などに活用できます。
日本製のキャンプナイフが1,400円で購入できるので、コスパ重視の方に打って付けの商品と言えるでしょう。
G・サカイ/アウトドアクッキングナイフ
刃物の町として有名な岐阜県関市で製造されている『G・サカイ/アウトドアクッキング』。G・サカイのナイフは切れ味に定評があります。
『アウトドアクッキング』は錆びにくい6Aステンレスを採用していることに加え、研ぎやすいフラットな形状をしているので、手入れをしながら長く愛用していけます。
アウトドアクッキングナイフシリーズは直刃、波刃、サシミ、ミニの4種類。まずは幅広い調理に対応できる直刃をゲットしましょう!
▼過去には、ハピキャンライターが愛用するG・サカイの『サビナイフ2』もレビュー!
まずはこれ1本でOK! マルチ使いや携帯におすすめナイフ4選
モーラナイフ/コンパニオンヘビーデューティー
コスパに優れたアウトドアナイフの大定番『モーラナイフ・コンパニオンヘビーデューティー』。
3.2㎜の厚手の刃に加え、太めの持ち手によってブッシュクラフトもラクラクこなします。
刃が厚いため調理向きではないものの軽度の調理なら可能!ステンレス製で扱いやすいことや、3,000円以下のお手頃価格は初心者にも嬉しいですね。
モーラナイフ/コンパニオンMGステンレス
ハピキャンライターが愛用する『モーラナイフ/コンパニオンMGステンレス』。刃厚は2.5mmで小ぶりな薪であればバトニングも可能です。
抜群のフィット感と好評のラバーグリップは、力の弱い女性の手にもよくフィットします。調理に使うには慣れるまで違和感もあるかもしれませんが、食材のカットも可能です。
手入れが簡単なステンレス製で価格も安いことから、ブッシュクラフト入門ナイフとして人気の1本です!
▼詳しいレビューも!
ブッシュクラフト/モダンスカンジ・アロカス・ステンレス
「モーラナイフに負けず劣らず!」という高評価レビューの多い『ブッシュクラフト/モダンスカンジ・アロカス・ステンレス』。
他メーカーにはないパステルカラーなどの魅力的なカラーが豊富なので、キャンプデビューの女性にもおすすめです。
ナイフの造りは持ち手部分に入っている鋼材が細いナロータング。フルタングほどの強度は期待できないものの、キャンプで使用するには十分な強度を持っていると言えるでしょう!
ガーバー/ウルトラライトLST
とにかく携帯性に優れたナイフが欲しい方には、『ガーバー』のロングセラーポケットナイフ『ウルトラライトLST』がおすすめ!
重量はなんと16gで、収納時のサイズも6.6㎝と超コンパクト。必要な時にサッと取り出せるのがポケットナイフのメリットです。
刃の素材には刃こぼれしにくく錆びにくい420HCステンレスを採用。歴史と信頼のあるアメリカのガーバー社ならではの品質をぜひ体感してください!
多機能で防災グッズにもおすすめのマルチツールナイフ4選
最後に、10種類以上の機能を備えたツールナイフを4つご紹介します!
ビクトリノックス/フィールドマスター
ツールナイフの大定番『ビクトリノックス/フィールドマスター』。わずか100gの中に、大小2種類のナイフ、プラスドライバー、栓抜きなど15種類の機能を搭載。
人気モデル『ハントマン』との違いは、コルク栓抜きの代わりにプラスドライバーを搭載していること。
ワインを飲む方は『ハントマン』、プラスドライバーを使う方は『フィールドマスター』を選びましょう!
▼『ハントマン』のレビューも
ビクトリノックス/フォーリスターウッド
ウォールナットのボディがオシャレな『ビクトリノックス/フォーリスターウッド』。
先述の『フィールドマスター』が15機能に対して『フォーリスターウッド』は10機能とやや劣りますが、手に馴染みやすい素材とサイズ感により使い心地は抜群です!
▼ビクトリノックスの他のアイテムもハピキャンライターがレビューしています!
ガーバー/サスペンションマルチプライヤー1471
『ガーバー/サスペンションマルチプライヤー1471』は13種類の機能を備えたツールナイフです。
ツールを固定して安全に使用できる「Saf.T.Plusロック」や、スプリングの力で自動的に開くプライヤーなど、使い心地の良さに定評があります。
レザーマン/サイドキック
キャンプやハイキングで便利なノコギリを搭載している『レザーマン/サイドキック』。
高性能でスタイリッシュなツールナイフとして人気です!
ナイフとマイナスドライバーはサイズ違いで2種類搭載。スプリングアクション機構のプライヤーやワイヤーカッターは使い心地が良いと好評です。
銃刀法違反って知ってる? 覚えておきたいナイフの豆知識
最後に注意点をひとつ。刃渡り5.5cm以上の刃物を正当な理由なく持ち歩くと、銃砲刀剣類所持等取締法違反として罰せられることをご存じでしょうか?(参考:銃砲刀剣類所持等取締法違反)
ナイフを持ち歩いている際に転倒してケガをしたり、ナイフが見えるように持ち歩くと周囲の人へ恐怖心を与えてしまったりします。
対策としてしっかりとケースに入れておくことと、目的なく持ち歩かないことを常日頃から心掛けておきましょう。
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ナイフのシース(カバー)をセットした上で、ツールボックスなどに入れておけば安心です。
お気に入りのキャンプナイフでブッシュクラフトや調理を楽しもう!
調理をしたり、薪割りをしたり、ロープを切ったり、多様なシーンで活躍するキャンプナイフ。
キャンプナイフを扱えるようになると、キャンプ上級者になれたようで気分が上がりますよ!初心者の皆さんも取り扱いに注意しながらぜひ挑戦してみてくださいね。
お気に入りのキャンプナイフと共にキャンプを楽しみましょう♪