罪の意識薄く密漁「知らなかったでは済まされない」 サザエやカキ、小浜海上保安署が11件13人摘発

京都府の男性が密漁したサザエの一部=7月10日、福井県小浜市東勢(小浜海上保安署提供)

 福井県小浜市と高浜町の沿岸でサザエやカキなどの密漁が相次ぎ、小浜海上保安署は6月1日から7月15日の期間に前年同期の約3倍となる11件13人を摘発した。レジャー感覚で罪の意識が薄い人が多く、同署は「知らなかったでは済まされない」とし、地域住民らと連携し管内(同県若狭町以西4市町)のパトロールを強化している。

 摘発したのは京都6人、大阪3人、奈良2人、愛知2人と全て県外者で、年齢層は20~60代と幅広い。種別はサザエ707個、アワビ17個、ウニ5個、カキ106個。密漁者の中には海保の巡回を察知し、採った貝を海中に隠したり、氏名を明らかにせず立ち去ろうとしたりする悪質な事例もあるという。

 密漁者の増加について同署は、梅雨明けが早く気温の高い日が続いたことや、コロナ禍で自粛していた海水浴場の開設が増えレジャー活動が活発化したことなどを挙げている。美浜町以北の県内沿岸7市町での同期間の摘発は2件2人で「小浜管内が多いのは、県外からアクセスしやすいなど地理的な要因もあるのでは」と指摘する。

 8月に入っても密漁は続き、1日には小浜市の人魚の浜海水浴場付近で京都府の40代男2人を漁業法違反(漁業権侵害)の疑いで現行犯逮捕した。同署は「摘発は氷山の一角で、8月下旬にかけて増加が予想される。取り締まりを強化していきたい」と話している。

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