衆参両院で改憲勢力が3分の2を維持、改憲議論は今後どうなる?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

本記事は8月11日配信の動画の内容を基に構成しています

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2022年8月11日に公開された動画のテーマは……改憲勢力が衆参で3分の2!改憲の議論は進むか?

ゲストに社会学者の西田亮介氏をお招きし、改憲議論の今後について語っていただきました。

現在の憲法改正草案の問題点とは?

【このトピックのポイント】・参院選後も衆参両院で改憲勢力が3分の2以上の議席を維持
・改憲に向けて西田氏は安倍派の動向に注目。岸田政権の熱意とは無関係に改憲が進む可能性も
・自民党が提示する憲法草案は2012年の野党時代のもの。再検討が必要か

参院選後も改憲勢力3分の2を維持

7月の参院選で、改憲勢力が3分の2の議席を獲得するかどうかが1つの注目ポイントでしたが、無所属含め今回の改選で82議席以上を獲得。改憲の国会発議に必要な議席数を維持する結果となりました。

「改憲にむけて舞台は整ったといえるのでしょうか?」という千葉氏に対して西田氏は「安倍政権でも菅政権でも両院で条件は超えていた。従来通りの状況ともいえる」とコメント。

西田氏が注目したのは「改憲勢力」というキーワード。「護憲政党はあるのかと言いたい」と続けました。

西田氏は「立憲民主党は護憲政党のような気がするが、護憲政党といったことはない」とコメント。さらに、民主党時代には鳩山氏が「創憲=憲法を創る」を掲げ、枝野氏が独自の憲法案を文芸春秋で発表した過去について言及し「必ずしも護憲政党とは言えない」としました。

改憲について各党の曖昧さが見える点についてMC鈴木は「憲法の議論はあまり優先度が高くないのでは?」と指摘。西田氏は同意しつつ自民党が現在提示している2012年草案の古さについて言及し「憲法改正したいならもう一回考え直してもいいかもしれない」と続けました。

改憲に向けた各党の声は?

参院選の結果を受けて各党の代表から改憲についてコメントが出ています。

岸田氏の発言について千葉氏は「あまり優先度が高いように感じられないのが正直なところ」とコメント。MC鈴木も「岸田さんが安倍さんよりも憲法改正に熱意があるかというとやや懐疑的」と続けます。

それに対し西田氏は「気にするべきポイントは安倍派の動向」と解説します。安倍派には安倍氏以上に保守的な考えを持つ議員もいる中で、安倍氏は岸田派を始めとするやや穏健なグループとの調整役になっている側面がありました。

その安倍氏が亡くなった今、岸田政権が引き続き安倍派に支持してもらうための条件として「改憲を進めること」が利用される可能性を西田氏は指摘しました。

西田氏「岸田政権が追い込まれれば追い込まれるほど改憲に近づいていくかもしれない」

憲法改正へ自民党が活動を本格的に再開

憲法改正に向けて、自民党憲法改正実現本部は改憲に向けた啓発活動を本格的に再開する「基本方針」を確認したとのことです。

千葉氏「これを動いたと捉えられますか?」

MC鈴木「そんなにギアが上がった感じはしないですね」

西田氏は憲法審査会に存在する「中山方式」と呼ばれるルールについて言及。「いわゆる紳士協定。それをしている限りギアは上がらないですね」とコメントしました。

一方で、自民党が2012年にまとめた憲法改正草案について、旧統一教会の影響が取りざたされ「憲法改正は絶望的」とする声も上がっています。

西田氏は旧統一教会との関係とは別に再検討の必要性について言及。「2012年の草案は自民党が野党になっていた時期のもの。政権与党に復帰して政策についての感覚が研ぎ澄まされた状態でもう一回草案を作るのがいい」とコメントしました。

MC鈴木も「野党時代は『政権に復帰したい』という思いがあるから支持団体の話を聞きながら作るところがある。与党ならもっと現実的に通すための内容になってくると思う」「もう一度検討したほうがいい」と同意しました。

動画本編はこちら!

あの政党も実は改憲勢力?改憲は進むのか現状維持か?

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