入村市長を刑事告発 特定の立候補予定者へ投票、複数職員に依頼か 妙高市長選めぐり

 任期満了に伴う妙高市長選(10月23日告示、同30日投開票)をめぐり、現職の入村明市長(75)が複数の市職員に特定の立候補予定者への投票を依頼したとして、元県議の近藤貞夫氏(78)が12日、入村市長を公職選挙法違反(公務員の地位利用、事前運動)の疑いで県警妙高警察署に刑事告発した。

記者会見する近藤氏(12日、新井ふれあい会館)

◇市選管、「法抵触の恐れない」
 市選挙管理委員会は関係者への聴取の結果、「直接的な投票依頼は確認されず、法に抵触する恐れはないとの見解に至った」としている。
 入村市長は「告発状を正式には見ていない。投票依頼をしたつもりはない」とのコメントを出した。
 記者会見した近藤氏によると、入村市長は7月15日、妙高市役所内で複数の職員に、次期市長選への立候補を同12日に表明した城戸陽二氏(55、前妙高市課長)の名刺を配り、「頼むぞ」と声を掛けたとされる。
 会見で近藤氏は「裁判になれば、複数の職員が証言する」と説明した。
 市選管によると、8月3日に入村市長と、名刺を受け取ったとされる職員14人に事情聴取。多くの職員は地位利用に当たるとは受け止めなかったという。
 入村市長は5期目。これまでのところ進退を表明していない。
 次期市長選へは妙高市議の宮澤一照氏(56)も立候補を予定しており、近藤氏は宮澤氏後援会の相談役。

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