部員数は100人超! 2年連続「全国最優秀」に輝いた 崇徳高校 新聞部がアツイ!

新聞を読む人が少なくなったといわれるこの時代に、日本一の部員数を自称する「新聞部」が、広島にあります。その数、148人。部員数だけでなく、その活動は去年、全国大会で最優秀を受賞するほどです。そして、ことしはどうなったのか? 活動をのぞき見しました。

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会場アナウンス
「最優秀賞、崇徳高等学校」

崇徳高校 新聞部は、ことしも全国総文・新聞部門で最優秀賞の5校に選ばれました。去年に続く栄誉です。

創立147年という崇徳学園。おととしから共学となりました。

新聞部の活動は、主に図書室で行われます。部員数は148人。全国最多ということです。この日は、まもなく締め切りを迎える今年度初めての「本紙」の入稿作業に追われていました。

部長 伊藤蒼生さん
「今はテスト期間に入る前に本紙のチェックだったり…」

政治・社会問題担当 記者 稲田寛汰さん
─ 何をされている?
「本紙の明暗を書いております」

─ 一番目立つところ?
「それは、わかんないですけど」

9ジラジ班 班長 高島和史さん
─ 何を書いている?
「記事を書くのに、ぼくのまずメモを文字に起こしています。あんまりきれいに書けていないので、これを見ても読めないので」

崇徳高校 新聞部の発行する「本紙」は1年に3回、全校生徒に配布されます。学校内の出来事の報告だけでなく、広島に現れた著名人にインタビューしたり、その時々の大きな時事問題を自分たち自身で取材して高校生の目線で伝えています。

今年度、最初の本紙の見開きには、県総体の特集を予定しています。

9ジラジ班 班長 高島和史さん
「春休み以降の成績を全部載せるので」

─ よかったところだけを載せるのではなくて、全部の部活の成績を載せる?
「負けたところも全部」

ここに並ぶ全員が、その担当者。取材結果を報告するための行列です。

運動部の試合結果は、「速報」としても伝えられます。速報は、教室や廊下の壁に掲示され、その数、年間150号以上。主なテーマは、部活動の試合結果や学校内外での生徒の活躍です。

9ジラジ班 班長 高島和史さん
「できるだけ取材した後、即日発行を目指しています」

本紙の特集テーマには高校生らしい話題が並びます。

内田浩志さん
「クラスマッチでオセロがあるんですよ、この学校。その勝ち方について記事を書こうかなと」

─ オセロを使えばいいんじゃない?
「オセロ、買えないので」

副編集長 立山祐名さん
─ 「今からでも間に合う大学選び」? タイトルは誰が考えた?
「わたしが考えました」

部長の伊藤さんが担当するのは、「ウィズコロナ特集」です。

部長 伊藤蒼生さん
「学校のことももちろん学校新聞なので情報を伝えつつ、崇徳生のみんなに社会問題を踏まえて伝えることができればなと思って」

去年からの連載で今回が最終回というのが、「目指せ!美ボディ企画」。バレー部監督の本多洋先生指導のもと、新聞部員自らが1年間、トレーニングを積んできました。

副部長 小林未來さん
─ で、最終回のテーマが二の腕? 二の腕がどうなったんですか?
「トータルで見たところ、二の腕が一番大きく変化していたなっていうのがわかって、ここに載せました」

見事に結果が出たというのに、そこは思春期の記者たちです。ビフォー・アフターのサイズは表記しないことになりました。その代わり、紙面には写真を掲載することに…。美ボディ班の結果に自信のある生徒らが撮影に臨みます!

バレー部 本多洋監督
「すばらしくなった。1年間の成果が出ている。二の腕、下がたるんでない。これはいい。運動部じゃないので、どこまでできるかなと思ったけど、ここまでやってくれたら、こっちもいろいろ計画したかいがありました。よかったと思います」

副部長 小林未來さん
「シックスパックを目指していたんですけど…。でも海に行くっていうことが目標だったので、わたし自身が受験生で(海に)行けないという名残はあるんですけど」

部長 伊藤蒼生さん
─ いい筋肉でした?
「いや、まず新聞のために脱ぐっていうか、ちゃんと撮るっていうのが、すごいなと思った…」

入稿前、最終段階での編集会議。各班の班長が集まって、顧問の花岡健吾先生の指導を仰ぎます。

数々の特集を担当する平和班のページが大胆に組み直されました。

ことし、ウィーンで開催された初めての核兵器禁止条約 締約国会議に参加した早稲田大学2年の高垣慶太さん。2年前に卒業した、この伝説のOBにリモートインタビューして記事にまとめます。

OB 高垣慶太さん
「今回の核禁条約の会議というのは、政府や組織、ふつうの市民の人たちもすごくみんな、フラットで…」

編集長 藤原彩羽さん
「2年生とかの印象だったら、ガッキー先輩、めちゃ平和活動しているヤバイ先輩みたいなイメージがあるんですけど…。ガッキー先輩って平和活動以外の高校生活を送られていました?」

OB 高垣慶太さん
「ドラムをやっていたんですよ」

平和班 記者 藤井美生さん
「実際に聞くと、こんな活動もしていたんだっていう新しい発見とか、今、自分たちもそういうふうに発信することができるんだなっていう、そういう立場にいるんだなっていうことを感じました」

編集長 藤原彩羽さん
「今はわたしたち若い世代が伝えていかなきゃいけないってこともよく言われるんですけど、そうやっていかなきゃいけないことが、薄っぺらいっていうか。(まだまだ)1つの内容しか知らないと思うんですよね。そのことを知ることができるような面を作っていきたいので、これから。新聞部の紙面を通して今から」

刷り上がった「本紙」は16面。人海戦術で折り込まれ、8月6日(原爆の日)の配布に備えられます。

スポーツ班 班長 川畑悠成さん
「例えば映画監督に会って話を聞くとか、有名な俳優・アナウンサーに会えるっていうのが、ふつうの高校生にできないことなので魅力ですし、いろいろな社会問題について深く、一歩踏み込んで考えられるのが(新聞部の)魅力だと思っています」

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