種苗業振興行動計画が業界の発展を推進 中国種子大会で明らかに

種苗業振興行動計画が業界の発展を推進 中国種子大会で明らかに

2022年中国種子大会で展示された新しい種苗。(7月30日撮影、三亜=新華社記者/郭良川)

 【新華社三亜8月12日】中国工程院の万建民(ばん・けんみん)院士(アカデミー会員)は数年前、雲南省のハニ棚田で、地元の人が朝水田に行く時に持参したおにぎりが、昼食時もまだ柔らかく香りが良いことに気づいた。万氏はこのイネの品種改良を行い、良好な成果を収めた。

 海南省三亜市で開催された2022年中国種子大会で、万氏が講演でこの話を紹介すると、来賓の共感を呼び起こした。

 中国の種苗業の大きな変遷は、一粒のコメから野菜や果物、家畜・家禽(かきん)などの食物の品質、風味の変化にまで表れている。

 21年7月に発表された中国種苗業振興行動計画は、生殖質資源の保護や利用、イノベーション、難関攻略などについて具体的な措置を策定した。

 遺伝資源は種苗業におけるイノベーションの源であり、中国は21年、新中国成立以来最大規模の農業遺伝資源センサスをスタートさせた。海南省三沙市の永興綿花は同センサスの中で見つかったもので、中国熱帯農業科学院の劉国道(りゅう・こくどう)副院長率いるチームが同市永興島でこの古い陸地綿の品種を発見し、農業農村部から同年の全国農作物十大優良生殖質資源に選ばれた。

種苗業振興行動計画が業界の発展を推進 中国種子大会で明らかに

2022年中国種子大会のサブフォーラム。(7月30日撮影、三亜=新華社記者/郭良川)

 中国種子大会の会場から40キロの場所では、国家級野生イネ生殖質資源農場の建設が進んでおり、これまでに世界各地からイネの野生品種約1万1千種が集められている。中国農業科学院作物科学研究所の楊慶文(よう・けいぶん)研究員によると、このプロジェクトでは世界トップクラスの優良野生イネ生殖質資源の収集・鑑定と開発・利用のためのプラットフォームを構築するという。

 センサス開始からこれまでに、中国は農作物の遺伝資源を11万点、、家畜・家禽(かきん)を6万点、水産物を5万点新たに収集し、世界トップレベルの国立農作物・海洋漁業生物生殖質資源バンクを作り上げた。

 この1年間、品種の革新や難関攻略で多くの飛躍的進展を遂げた。21年11月、ブロイラーの新品種3種類が審査を通過し、中国のブロイラー産業の重要な資源となった。また、耐病性、耐塩アルカリ性、耐熱性、耐寒性があり、収量も高く良質なイネ品種が審査を通過し、大規模な普及が始まったことで、中国人の食卓に出される米により多くの選択肢を増やし、味も向上した。

 育種の分野では、知的財産権の保護が極めて重要であり、種苗業の革新特許を保護するため、農業農村部は21年7月から種苗業知的財産権保護特別行動を開始し、品種の権利侵害と品種権盗用行為を集中的に取り締まった。今年3月、中国は新たに改正した種子法を施行し、種子特許の保護範囲を拡大するとともに、処罰を強化し、権利保護の難易度を引き下げた。

種苗業振興行動計画が業界の発展を推進 中国種子大会で明らかに

2022年中国種子大会の企業ブースを見学する出展者。(7月30日撮影、三亜=新華社記者/郭良川)  

 種苗業振興行動計画の発表後、多くの企業が大規模化・標準化発展の道を歩み始めている。

 農業製品の研究・生産を手掛ける袁隆平農業高科技の彭光剣(ほう・こうけん)監査役会主席は、「今後中国の種苗業の市場規模と業界の集積度が急速に高まり、トップ企業は急速な発展期に入った」と述べた。

 同社の21年の売上高は35億元(1元=約20円)で、15年から15億元増加した。同社は現在、中国のほか、ブラジルや米国、パキスタン、フィリピンなどにイネ、トウモロコシ、野菜、アワ、食用ヒマワリの育種ステーションを50カ所以上設立し、試験基地の総面積は1万3千ムー(約867ヘクタール)となっている。

 安徽荃銀高科種苗業は高収量のハイブリッドイネをバングラデシュで普及させ、同国の食糧問題の解決を支援している。シンジェンタグループ中国副総裁の応敏傑(おう・びんけつ)氏は、同社がすでに登録地を海南省三亜市に変更し、同市の気候資源と輸出入政策の優位性を利用して、生物育種分野で新たな段階を目指すと述べた。

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