【新型コロナ】事故のケガ人を陽性を理由に置き去り 尼崎市消防局

 兵庫県尼崎市消防局の救急隊が、新型コロナの陽性反応が出た搬送中のケガ人を病院へ運ばずに降ろして立ち去ったことが分かった。消防局では100%の対応ではなかったとしているが、置き去りにされた当人や家族に対し謝罪はしていない。

救急車内で抗原検査し陽性判明、病院が受入拒否

 同市消防局によると、5日深夜に市内の国道で大学生の男性が乗るバイクと軽乗用車が接触。男性は転倒し足の痛みを訴えたため、男性の友人が救急搬送を要請した。要請を受け出動した尼崎市中消防署の救急隊が、男性を救急車に乗せ市内の病院へ搬送途中に、発熱があったため車内で抗原検査を行ったところ、新型コロナの陽性が判明。検査結果を知った病院が受け入れを拒否したという。

 この対応を受けた救急隊は、男性のケガの状況を確認し緊急性はないと判断して事故現場に戻り、男性を降ろして立ち去ってしまった。置き去りにされた男性はしばらく現場にいたが、首や腰にも痛みを訴えたため、駆けつけていた男性の父親が再度119番に電話し搬送を要請、搬送を拒否した病院とは別の西宮市内の病院に搬送された。この病院の診断で足を骨折していたことが判明した。

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