LRT来年8月に全線開業 JR駅西延伸は栃木県教育会館まで

LRT車両の納入が完了した車両基地

 宇都宮市と芳賀町が進めるJR宇都宮駅東側の次世代型路面電車(LRT)で、両市町は来年8月中に全線開業することで合意したことが12日、関係者への取材で分かった。市は同駅西側のLRT計画を同市駒生1丁目の県教育会館まで延伸する方針も固めた。

 駅東側の開業時期を巡っては、宇都宮市野高谷(のごや)町の県道と国道の交差点架橋工事が予定の工期より遅れたため、市は5月、予定していた来年3月の開業が数カ月遅れる見通しとなったことを明らかにした。当初の開業予定は2022年3月で、開業延期の公表は2度目だった。

 工事の遅れに伴う追加の負担増はないとされており、延期に伴う開業時期がいつになるのかが焦点となっていた。市は工事が完了している区間だけでも部分開業できないかを含めて検討してきたが、共同事業者の町との関係や費用対効果などを総合的に考慮し、約5カ月遅れでも全線開業するのが妥当と判断した。

 同駅東側のLRT整備事業は、駅東口から芳賀・高根沢工業団地までの14.6キロで工事が進められている。野高谷町交差点以外に目立った工事の遅れはない。LRTの車両は全17編成が車両基地に納入済み。

 一方、市は駅西側のLRT計画について18年5月、同駅から(1)桜通り十文字(2)護国神社(3)宇都宮環状道路(4)東北自動車道(5)大谷観光地-の付近までとする5案を公表。22年3月策定の「都心部まちづくりビジョン」では、桜通り十文字付近までLRTと一体となった都心部の活性化を進める方針を定めていた。

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