海星 分厚い守備で名門・天理を撃破 二塁 峯がチーム救う美技

【2回戦、海星-天理】8回裏、2死満塁で一打同点のピンチを好守備で防いだ海星の峯(右から3人目)=甲子園

 海星(長崎)が春夏通算55度の甲子園出場を誇る天理(奈良)を破り、3回戦へ進出。終盤は反撃する相手の吹奏楽に多くの人が手拍子で呼応し“完全アウェー”の空気だったが、分厚い守備でピンチを切り抜けた。カクテル光線に照らされた聖地に今夏2度目の校歌を響かせたチームに、加藤監督も「感無量。良かったのは彼らが甲子園を楽しんでプレーしていること」と充実感を漂わせた。
 天理の先発は奈良大会で無失点、今大会1回戦も強打の山梨学院を1点に抑えていた南沢だった。その右スリークオーターから三回までに7安打。スタメンに右打者が8人並ぶ打線は事もなげに打ち込んだ。中堅から逆方向を意識して好球必打を徹底。生命線のスライダーを曲がりきる前に引っ張り、シュート気味に食い込む速球に力負けしない対応力も見事だった。
 そこからは堅守で粘り続けた。最大の見せ場は4-2の八回2死満塁。右前へ落ちそうな打球を二塁峯が後ろに飛び込んでつかんだ。途中出場でチームを救った2年生のスーパープレー。先輩たちにもみくちゃにされる光景に大観衆が沸いた。
 白熱の接戦を制し、次は選抜準優勝の近江(滋賀)に挑む。県勢としても長崎日大が春に延長タイブレークの末に敗れた因縁の相手。46年ぶりの8強へ絶好の舞台が整ったといえる。先制打を含む3安打を放った丸本は「対戦できるのがうれしい」。短い言葉に、確かな自信が満ちていた。


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