長崎県が日本脳炎注意報 豚4頭から抗体検出

 長崎県は12日、日本脳炎注意報を発表した。3日の県内調査で、日本脳炎ウイルスの増幅動物である豚10頭のうち、4頭から感染したことを示す抗体を検出。感染を引き起こす蚊が活動期にあるため、県民に予防を呼びかけている。
 県によると、同ウイルスは豚の体内で増え、その血液を吸った蚊が人を刺して感染する。人から人へ、または、感染者を刺した蚊に刺されて感染することはない。県は流行予測のため、毎年6~9月に豚の感染状況調査を実施している。
 日本脳炎は高熱や頭痛、嘔吐(おうと)などを発症し、意識障害やけいれんなども引き起こす。県内では昨年、平戸市で1人の患者が確認された。感染しても発症するのは100~千人に1人だが、発症した場合の致死率は2~4割。幼児や高齢者は特に注意が必要という。
 予防はワクチン接種が最も効果的。県は、虫よけスプレーなどで蚊に刺されない工夫をしたり、免疫力維持のため十分な休息を取ったりするようアドバイスしている。


© 株式会社長崎新聞社