【マンスリーレポート】ホンダe アドバンスで往復200kmの小旅行。そこでBEV初体験の妻が言ったひとこと【前編】

ホンダが来たるべき電動化の未来を見据えて作り上げた初の量産EVがホンダeだ。親しみやすいデザインにモーターによる力強い走りと取り回しの良さを兼ね備え、数々の先進機能を搭載している。そんなホンダeのトップグレード「アドバンス」を1か月の間、日常の足として使用。今回はまず、約2週間乗ってみた印象を報告する。(Motor Magazine 2022年8月号より)

ホンダらしさ満載のBEV。見ても乗っても楽しい

Motor Magazine7月号で紹介した「EV&SDGsフェア」の会場内でもひときわ注目を集めていたホンダe。2020年にデビューしたホンダeがなぜいま注目されているのか?長く乗ってその魅力を確かめてみたい。それが今回ホンダeを借りることになった経緯。さっそく編集会議で企画を提出し、この企画が実現したのだが、私の自宅には充電器がない。それだけが唯一気がかりだった。

さっそくホンダeと対面。取材車はモダンスティールメタリックのボディカラーも相まって思っていた以上にツルンとしている。段差のないボディ形状はもちろん、ドアミラーレスや格納式のアウターハンドルなど徹底してフラッシュサーフェス化されているのがわかる。

運転席に座りドアを閉めると、電源がONになり、モニターが起動する。5つのモニターを配したインパネは先進的で、木目パネルやメランジ調のファブリックの内装はリビングルームのような印象。夜は天井に配置されたダウンライトに照らされて、よりリビング感が強くなる。

個人的に好きなホンダeのアングル。リアフェンダーの膨らみが良い。

アクセルペダルを踏み込むと、出足は軽やかでスムーズ。後ろから押されるような加速感は独特でクセになりそうだ。ハンドリングは軽快で、ハンドルを切った時の反応もダイレクト。愛らしい見た目とは裏腹に中身はまるでRWDのスポーツカーのようだ。

これでワインディングロードを走ったら楽しいだろうなと考えながら家路へ。編集部から自宅までの距離は片道20kmで、電費を意識せず乗るとバッテリーは10%(約3.55kWh)消費した。でもこの様子ならば通勤時は3日に1回の充電でも大丈夫そうだ。

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箱根のコーナーで、楽しさと引き換えにしたものがある

ホンダeが来て初めての休日は箱根方面にドライブへ行くことにした。我が家は3人家族で生後6か月の娘がいるので、チャイルドシートとベビーカーは必須。ほかにもミルクにおむつ、おもちゃなど荷物は多めだが、後席はISO-FIXでチャイルドシートも問題なく設置ができ、ラゲッジルームにはベビーカーもすっぽりと収まった。

自宅から箱根往復の距離は約200km。アドバンスの航続距離はWLTCモードで259kmなので、満充電でスタートすれば往復できそうな気もするが、そもそも自宅を出た時のバッテリー残量と航続距離は84%(159km)だったから、途中で充電しながらのんびり行こうと考えていた。

気持ち良く首都高を走り、東名高速に乗るといきなり渋滞。ACCを使えば渋滞は苦ではないが、充電を予定していた海老名SAは混雑が予想されたので、走り始めて1時間ちょっと、1つ手前の港北PAにピットインすることに。自宅からおよそ60km走って電池残量は49%(100km)だった。

充電中は娘のおむつ交換&ミルクであっという間に30分が過ぎ、バッテリー残量は93%(150km)まで回復。そしてこの後は57km走って箱根町役場にある急速充電器で充電。ここでは57%(93km)→97%(157km)となった。

◼自宅⭤神奈川 箱根(255km)の平均電費は4.9kWh。箱根の山道は景色も良くて運転が楽しいが、やはり坂道が多いと電費が悪化する。航続距離もがくんと減った。

箱根ではコーナーを軽やかに曲がる身のこなしを体感。重心は相当低く感じられ、旋回性能はかなり高い。しかし、その楽しさと引き換えに上り坂が多い箱根の山道では電池はみるみると減っていった。

そして無事、目的地に到着して家族サービス。EV初体験の妻もガソリン車と比べて振動の少なさや滑らかな加速に驚いていたが「電気自動車ってもっと静かだと思っていた」とひと言。おそらくアドバンスに装着された前後異サイズのハイグリップタイヤの影響もあるだろう。エンジン音がしない分ロードノイズが気になったのかもしれない。

約2週間、通勤や取材、休日のドライブなどに使用したが、首都圏では自宅に充電器がなくてもBEVに乗れることがわかった。当然、どこかで充電が必要なのだが、ホンダeのようにバッテリー容量が小さいクルマの場合、1回の急速充電でバッテリー残量を半分近く回復させることも可能なので、ながらの充電でも十分だと感じた。

そしてホンダeでドライブするたびにこの高い走行性能は街中だけじゃなく、もっといろんな場所で体感したいという気持ちが高まった。このクルマでどこか遠くへ行ってみたいなどと思ってしまった。(写真:井上雅行、中村圭吾)

ホンダ Honda eアドバンス 主要諸元

●全長×全幅×全高:3895×1750×1510mm
●ホイールベース:2530mm
●車両重量:1540kg
●モーター:交流同期電動機
●モーター最高出力:113kW(154ps)/3497-10000rpm
●モーター最大トルク:315Nm/0-2000rpm
●バッテリー総電力量:35.5kWh
●WLTCモード航続距離:259km
●駆動方式:RWD
●タイヤサイズ:前205/45R17、後225/45R17
●車両価格(税込):495万円

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