長崎市岩屋町の県立長崎工業高(北島弘明校長、906人)で、建築科3年の38人が長崎くんちの踊町、八幡町の演(だ)し物「弓矢八幡祝い船」のレプリカ制作に挑んでいる。
専門の知識や技術を生かし、研究内容を設定する課題研究の一環。全員が3級建築大工技能士(大工工事作業)に合格しており、班ごとにミニ出島の制作などに取り組んでいる。
船制作の中心になるのは10人。ふるさと教育で精霊流しや長崎くんちについて講義を受けたのをきっかけに、船を飾る日の丸ののぼりのインパクトや、演し物のストーリーに共感し、祝い船の制作を決めた。
同町に許可を取り、実物の採寸や図面制作、材料の調達を経て7月21日から加工、組み立てに入った。船は、全長5メートル、幅2メートル、高さ2.5メートルと実物とほぼ同じサイズ。
生徒らは大型構造物は初めて。図面通りに作ってもずれがあったり、たわんだりすることも。制作リーダーの中村真実(まこと)さん(17)は「試行錯誤しながら指示通りにやってくれる」とメンバーに信頼を置いている。装飾品や楽器も制作して完成度を高めていく。
10月の体育祭のパレードでは、女子生徒8人を乗せ、船の引き回しを披露する。演技リーダーの長松修人さん(17)は「総合優勝5連覇も懸かっている。どんな構成にしようか考えている」と熱意を語った。
担任の田島由佳子教諭(31)は「ものづくりへの意欲が高く、生徒たちだけでどんどん進めていく。支援してもらった方々に感謝したい」と話した。