国学院栃木「三度目の正直」 甲子園で智弁和歌山に逆転勝利、OBらも胸熱く…

国学栃木の好プレーに拍手を送るOBの大久保さん(中央)=13日午後、阪神甲子園球場

 2000、18年と春の選抜甲子園で苦杯を喫した智弁和歌山(和歌山)に3度目で勝利した国学院栃木。昨夏王者に逆転勝ちしたチームは見る者の魂を揺さぶった。過去の敗北の悔しさを知る当時の指揮官やOBも、聖地で白球を追うナインの姿をスタンドから見守った。

 00年時に監督を務めていたのは実島範朗(みしまのりあき)教頭(63)。智弁和歌山の強打に持ち味を発揮できないまま準決勝で敗退した。当時、チームには選手として柄目直人(つかのめなおと)監督らもいたが「全国で勝ち続けるにはまだまだだった」。実島教頭は25年間監督を務め、柄目監督に引き継いでからも野球部を見守る。「やってくれるはず」と今回の金星も確信していたという。

 18年、3回戦で智弁和歌山に敗れた当時の主将大久保謙亮(おおくぼけんすけ)さん(21)、センター青木寿修(あおきひさなが)さん(21)の姿もスタンドに。4年前の敗戦を「落ち着いてやろうと言っていたが、やはり焦りがあった」と大久保さん。「今回も当たるのは本当に何かの縁を感じる」

 一方、国学院大で野球を続ける青木さんは練習の合間を縫って駆け付けた。大学では甲子園で戦った智弁和歌山出身の選手ともチームメートになったが、「何度も負けている」という悔しさは消えないまま。雪辱の思いを後輩たちに託した。

 「まさに三度目の正直だ」。試合後には全員が口をそろえた。“王者”に全力投球で挑み雪辱を晴らした選手たち。その勇姿を目の当たりにし、関係者たちも校歌が響き渡る甲子園で感慨に浸った。

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