戦時中の料理、味わってみて 研究家・脇山さん 長崎で親子教室

参加者に戦時中の料理の作り方を説明する脇山さん=長崎市魚の町、中央公民館

 料理研究家の脇山順子さん(85)は7日、戦時中の食事の再現や、当時の食料事情についての説明をする親子料理教室を長崎市内で開いた。
 長崎の食文化を研究する脇山さんは、2002年まで長崎女子短大の教授。8歳の時に爆心地から3.3キロ離れた同市鳴滝町(当時)で被爆している。教室は、体験を言葉で伝えるだけでなく、実際に味わってもらうことで当時の食生活を実感してもらう狙い。
 親子6組計12人が参加。脇山さんは「すいとんは最高のごちそう」「白ご飯は銀飯と呼ばれ、1年に1、2回しか食べられない」などと説明した。煮干しや大根、大根の葉、ニンジンと、小麦で作った団子を入れた汁料理「すいとん」と、餅の代わりにサツマイモを入れた「さつまいもじるこ」を、親子と一緒に調理した。
 市内の会社員、西田朱一さん(47)は「材料も量も少なく、戦時中の食事は親としても考えさせられた」と話した。「(料理は)すごくおいしかった」という長男で市立伊良林小4年の隼君(9)は「戦争体験を聞いて、これからはご飯を残さず食べるようにする」と笑顔を見せた。


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