年金20万円ももらえていない人が多いって本当? 受給額の理想と現実

年金20万円もらえている人はどのくらい?

老後にもらえる年金の額は、年金保険の加入期間や、収入に応じて納付した保険料の額によって変動します。ここでは、まず厚生年金保険と国民年金保険の受給者全体で、年金20万円をもらえている方の割合をみていきましょう。

厚生年金保険の月額階層別の割合

厚生労働省の公開するデータから、厚生年金保険の月額支給額で階層別に割合を計算したものを図表1にまとめます。

【図表1】

出典:厚生労働省 令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況より筆者作成

金額には基礎年金月額を含みます。図表1から、厚生年金保険料を月額20万円以上支給されている方の割合は、全体の2割を下回るということが分かります。

国民年金保険の月額階層別の割合

同様に、国民年金保険の月額支給額で階層別に割合を計算したものを図表2にまとめます。

【図表2】

出典:厚生労働省 令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況より筆者作成

図表2から、月額支給額が6〜7万円の方の割合が最も多く、月額20万円を大きく下回ることが分かります。国民年金保険料のみを納付している個人事業主などの場合、年金以外の老後の収入源を考えておく必要があるでしょう。

将来もらえる年金額を増やすためにできること

厚生年金に加入している方でも、8割を超える方が年金20万円をもらえていないのが現実です。また、国民年金にのみ加入している方の場合、大多数の方が月額7万円未満の支給額というデータがあります。

老後のために貯蓄をしておくことも重要ですが、ここでは、将来もらえる年金額を増やすために現役時代にできることを紹介します。

未納分があれば追納しておく

国民年金保険料の未納や免除、学生納付特例制度、納付猶予制度の適用を受けている期間がある場合、将来受け取れる年金額は少なくなります。したがって、未納や免除などの期間がある場合、追納しておくほうが将来受け取れる年金額は多くなります。

「ねんきんネット」では、国民年金保険料の追納等可能月数と、追納する場合と追納しない場合の年金見込額を確認できます。

60代以降も働いて厚生年金保険に加入する

年金は原則65歳から受け取れます。厚生年金保険には70歳まで加入し続けられますので、60代以降も働いて厚生年金保険料を納付すれば、将来受け取る年金額を増やせます。

また、厚生年金保険の加入年齢は70歳までですが、老齢の年金を受け取れる加入期間に満たない場合は、70歳を過ぎても年金を受けられる加入期間を満たすまで任意に厚生年金保険に加入可能です。

iDeCoなどの個人年金制度を利用する

老後に受け取れる年金額に不安がある方は、「iDeCo」などの個人年金制度を利用するのもおすすめです。iDeCoに加入しておけば、拠出した掛金額に応じて厚生年金・国民年金とは別に年金を受け取れます。

iDeCoは税制優遇も受けられますので、50代を過ぎてから加入してもメリットのある制度です。

令和4年度から繰下げ受給可能な年齢が引き上げ

令和4年4月より年金制度が改正され、年金の繰下げ受給開始年齢がこれまでの70歳から75歳に引き上げられました。

最大で75歳まで10年間繰下げ受給をした場合、受け取れる年金額は84%増えるため、受け取れる年金の月額が少ない方は繰下げをするのもひとつの方法です。

ねんきん定期便を確認して自分の年金の現実を知っておこう

年金の月額が20万円もらえていない方は、令和2年の段階で全体の8割以上にのぼっています。今後、年金の受給額が現在よりも少なくなることも考えられるため、現役時代に将来受け取れる年金額を増やすための努力が必要となります。

年金の見込額は年金定期便などで確認できますので、実際に自分が受け取れる年金の見込額を確認して、老後の資金計画を準備しておきましょう。

出典

厚生労働省 令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 令和4年4月から年金制度が改正されました
厚生労働省 iDeCoの概要
日本年金機構 「ねんきんネット」による追納等可能月数と金額の確認
日本年金機構 70歳以上の方が厚生年金保険に加入するときの手続き

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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