中国がネパールへの鉄道建設を本格化、“ヒマラヤ越え”実現性確認のため専門家派遣へ

中国政府外交部(中国外務省)の汪文斌報道官は11日の定例記者会見で、中国の王毅外相とネパールのカドカ外相が10日に行った会談では、中国とネパールを結ぶ鉄道の建設も話題に上ったと説明した。王外相は、ヒマラヤを越える鉄道路線敷設の可能性を確認するために、年内に専門家を現地に派遣すると述べたという。

中国メディアの第一財経によると、上海国際問題研究院中国南アジア研究センターの劉宋義秘書長は、中国・ネパール鉄道の計画は以前からあったが、現在はネパール側の「現実的困難」を考慮して、中国側が資金と技術を提供して鉄道敷設の実現可能性を研究する方向で進んでいると説明した。

チベット自治区では、青海省ゴルムドと自治区政府所在地のラサ市までの区間で2006年に旅客営業運転を始めた青蔵鉄道がさらに延伸され、14年8月には自治区第2の都市であるシガツェ(日喀則)市まで通じるラサ・シガツェ鉄道が開通した。ネパールまで通じる路線ではラサ・シガツェ鉄道をさらに延伸させる。全長は700キロ余りで、中国側区間が5分の4以上を占める見込みだ。同路線は「世界の屋根」などと言われるヒマラヤを越えるなどで、建設は極めて困難と予想されている。

中国領内部分の建設については、中国国有系企業の中鉄第一勘察設計院が20年3月までに、現地調査や計画立案作業を落札した。ただし劉秘書長によると、ネパール側の具体的動きは見られないという。

ただし上海国際問題研究院の趙干城研究員は、ネパールの首相経験者であるプラチャンダ氏を訪問した際に、同氏は「中国・ネパール・インドを結ぶ鉄道が、いつの日にか完成することを望んでいる」と述べたという。

また、16年3月にはネパールのオリ首相(当時)が訪中し、両国は中国が推進する「一帯一路」構想の下で重要プロジェクトの実施を推進することで合意し、双方の政府主管部門は中国とネパールの国境を越えた鉄道と国内の鉄道建設について交流し、企業が早期に事前準備作業を展開することを支持するとの方針が確立された。

中国は「一帯一路」構想を加速する狙いもあり、自国と周辺国を結ぶ鉄道路線の整備に力を入れている。21年12月に完成した中国ラオス鉄道は、最高時速160キロの高速路線だが、貨物列車も最高で時速120キロで運行することができる。同路線はラオスから中国へは農産品などを、中国からラオスへは工業製品を輸送しており、中国では同鉄道が両国の「ウィンウィン」の関係を大きく前進させたと、しばしば報道されている。

ネパールは鉄道事業が最も遅れた国の一つだ。同国ジャナクプルとインド東部のジャイナガルを結ぶ約29キロのジャナクプル鉄道が存在するが、現在は運行を停止している。また、同国では自動車が通行できる道路の整備も遅れている。

中国の侯艶キ(「キ」は王へんに「其」)駐ネパール大使は4月29日、CCTVの取材に応じて、中国とネパールの「一帯一路」協力について、ネパールの交通インフラ建設について、「鉄道路線1本、道路2本、空港3カ所」の整備が対象になると説明した。空港3カ所の建設や整備については、いずれも中国企業が参画することが明らかになっている。(翻訳・編集/如月隼人)

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