「日産リーフ」電池を相模線踏切設備に 環境配慮で再利用へ、費用も最大4割減

2023年1月から相模線の踏切保安設備に順次導入される再生バッテリー(JR東日本横浜支社提供)

 JR東日本横浜支社は、相模線の踏切保安設備に、電気自動車(EV)の再生バッテリーを導入する。これまでは鉛蓄電池が採用されていたが、環境に配慮した鉄道づくりの一環として、2023年1月から全80カ所の踏切を対象に順次、切り替えていく。

 JR東日本は、事故や災害などで一時的に停電した場合でも遮断機などが稼働できるよう、踏切保安設備内にバッテリー(鉛蓄電池)を設置している。

 同支社は、鉄道設備の環境負荷を減らそうと、日産自動車(横浜市西区)の子会社・フォーアールエナジー(同)と連携し、再生バッテリーの活用に向けて性能を検証。安定稼働が確認できたため、停電に伴うバッテリーの使用頻度が高い同線での導入を決めた。

 再生バッテリーは、「日産リーフ」に搭載されて5~10年が経過した中古のリチウムイオン電池を再製品化したもの。従来の鉛蓄電池に比べ、充電時間が約3分の1で済むという。耐用年数も従来品が3~7年なのに対し、10年と長く、設備費を最大4割程度削減できるとしている。

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