【足利】江戸中期から続くとされる県無形民俗文化財の伝統行事「石尊山(せきそんさん)の梵天(ぼんてん)祭り」が14日、小俣町で3年ぶりに行われた。新型コロナウイルス感染が再び拡大する中、関係者が入念な準備をしてようやく実施にこぎつけた。感染防止のため規模は縮小し、本来は山頂まで運ぶ梵天を山麓に立てた。
祭りは本来、地元の若者らが長さ約15メートルの丸太を担いで1時間半ほどかけて山を登り、山頂で立てる。梵天の一部として取り付けられる幣束(へいそく)は、家内安全や五穀豊穣(ほうじょう)の御利益があるとされる。コロナ禍のため、ここ2年は中止を余儀なくされていた。
梵天講の講元藍場淳一(あいばじゅんいち)さん(78)ら関係者は「今年やらなければ後が続かない」と、後進への継承のため実施を決意。