郷ノ浦が初優勝 県少年軟式野球・中学の部 広田に延長で競り勝つ

【決勝、郷ノ浦―広田】初優勝を決め、喜びを爆発させる郷ノ浦の選手たち=県営ビッグNスタジアム

 軟式野球の第51回長崎県少年選手権(県軟式野球連盟、長崎新聞社主催)中学の部は4~7日、長崎市の県営ビッグNスタジアムで行われ、郷ノ浦が決勝で広田に延長九回タイブレークの末4-2で競り勝ち、初優勝を飾った。
 各地区予選を勝ち抜いた19チームが出場。トーナメントで競った。
 決勝は広田が二回に水野、樋口の連続適時打で2点を先行したが、郷ノ浦は直後の三回に立石雅の適時二塁打で1点を返すと、五回に島村の適時打で同点に追いついた。その後は互いに譲らず、八回から無死一、二塁制の延長タイブレークに突入。郷ノ浦は九回、鳥山の内野安打で満塁とし、1死後、敵失と久田のスクイズで2点を勝ち越した。最後は広田の反撃を無失点でしのいだ。
 広田は藤井、吉田が粘投。打線も郷ノ浦を上回る7安打を放ったが、三回以降は追加点を奪えなかった。

◎諦めない気持ち 体現

 延長にもつれた決勝を制し、壱岐勢初Vを果たした郷ノ浦。勝利が決まると、マウンド上に歓喜の輪ができた。3月の九州選抜大会王者が今季県内最後の公式戦を最高の形で締めくくり、主将の立石雅は「うれしい。何としても勝ちたかった」と素直に喜んだ。
 無死一、二塁制のタイブレークは試練が続いた。八回は無得点に終わった後の守備で、捕逸と四球で満塁に。さらに1死を取ったところで、先発中上が制限の100球に達した。このピンチに中上から「後は任せた」と声を掛けられた背番号1の浦上が奮起。力強い直球で後続を三振、遊飛に仕留めると、2点を勝ち越した九回も真っ向勝負で得点を許さなかった。
 5月の市中総体でライバルの勝本に競り負け、立石雅は「落ち込んだ」と振り返る。それでもくじけずに練習して、その勝本が九州3位で全国出場を決めた翌日、しっかりと県タイトルをつかんだ。諦めない気持ちを体現した選手たちに、益川監督は「島の子はすごい」と目を細めていた。


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