京都大学臨界集合体実験装置の高濃縮ウラン、米国へ撤去完了

大阪府熊取町の京都大学複合原子力科学研究所に設置されている京都大学臨界集合体実験装置から高濃縮ウラン燃料が運び出され、米国へ撤去された。2016年の第4回核セキュリティ・サミットで決まっていた措置で、米国国家核安全保障庁のジル・ルビー長官が文部科学省を訪ね、柳孝文文部科学審議官とともに成果を評価した。

文科省によると、京都大学臨界集合体実験装置は実験用原子炉で、原子炉工学の基礎研究や学生の実験などに利用されてきた。安倍晋三首相(当時)が出席して米国ワシントンで開かれた第4回核セキュリティ・サミットでは、核セキュリティ協力に関する日米共同声明で、高濃縮ウラン保有量の最小化を進めるため、京都大学臨界集合体実験装置の高濃縮ウランを米国へ撤去することが明らかにされていた。

ルビー長官の文科省訪問は日米両国政府で進めていた撤去作業が完了したのを受けて行われたもので、核セキュリティで日米両国が引き続き、協力を進めることを確認した。京都大学臨界集合体実験装置は今後、燃料を低濃縮ウランに切り替えて運転を継続する予定。

参考:

【文部科学省】京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)における高濃縮ウラン燃料の米国への撤去が完了しました

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