2023年向け“Gen3”シャシーの本格デリバリーが開始へ「重要な段階に到達できた」/RSC

 オーストラリア大陸を代表するツーリングカー選手権、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップで、2023年より正式導入がアナウンスされている新車両規定“Gen3”だが、同プロジェクトは今月に入り最初の完成したシャシーが順次、チームにデリバリーされる「重要な段階に到達した」と報告している。

 本来なら2022年から導入される計画で開発プロジェクトが進行してきたRSC版“Gen3”は、依然として南半球でも猛威を奮い続ける新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響を受け、グローバルなサプライチェーンの不安定性からその導入を1年順延する決定が下されていた。

 そのため、現在進行中の2022年カレンダーの各イベントで『フォード・マスタング・スーパーカー』と『シボレー・カマロZL1スーパーカー』各1台のテスト車両が、ファンへのお披露目を兼ねて精力的にテスト走行を続けている。

 その次世代シャシーの製造に取り組む4つのビルダーのうちのひとつであるペース・イノベーションズは、最初のスペースフレームシャシーの製造を完了し、この8月中旬にもチームへの納品を予定しているという。

 フォード陣営のディック・ジョンソン・レーシング(DJR)や、GMシボレーのトリプルエイト・レースエンジニアリングなど、各陣営でホモロゲーション登録チームに指名されたファクトリー系2チームとは異なり、量産シャシーのデリバリーを受ける最初のチームとなるブラッド・ジョーンズ・レーシング(BJR)は、次週8月19~21日にメルボルンで開催される『ペンライトオイル・サンダウン・スーパースプリント』を前に、Gen3規定モデルの所有権を取得する予定となった。

 このシャシーはビルダー最大手のペースが製造する16台のうちの最初の1台となり、各エンジニアリング企業は独自の車両を構築したいチームに対し、キットや素材とともに未完成のスペースフレームを提供することも許されている。

 そのため、強豪ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドやエレバス・モータースポーツなどは独自のシャシーを構築するため先週にもペースからキットを受け取り済みで、これには完全なGen3シャシーを構築するために必要なすべての部品が含まれる。

 ペース・イノベーションズの代表を務めるポール・チェプニッチは、複数のシャシーを必要とするチームへの配送プロセスの概要を説明しつつ、完成車のロールアウトに関する最新の状況をシリーズ公式サイトに語っている。

現在進行中の2022年カレンダーの各イベントで『フォード・マスタング・スーパーカー』と『シボレー・カマロZL1スーパーカー』各1台のテスト車両が、ファンへのお披露目を兼ねて精力的にテスト走行を続けている
各エンジニアリング企業は独自の車両を構築したいチームに対し、キットや素材とともに未完成のスペースフレームを提供することも許されている

■「カスタマーを満足させ、すべての人に公平であることが非常に重要」とペース・イノベーションズ代表

「我々が組み立てる最初のクルマが完成し、BJRへのデリバリーが予定されている。このシャシーはここで完成し、配送を待っている状態だ。おそらくスーパーカーのトランスポーターでサンダウンに行くことになるだろう。彼らはその手配をしているはずだ」と明かしたチェプニッチ代表。

「基本的に16台のシャシーを構築する必要があり、現在は継続的なプロセスの真っ只中だ。6日または7日ごとに1台のクルマが完成して工場からに徐々に減っていき、最終的なシャシーは11月中旬に納車される」と続けたチェプニッチ代表。

「我々が供給契約を結ぶすべてのチームが最初のシャシーを最初に手に入れ、その後、より大きなチームが2台目のクルマを手にする流れだ。その後、BJRとティックフォードというグリッド最大のチームが、4台体制を構築するため最後に残りのシャシーの供給を受ける」

「我々自身の作業スケジュールは、過去のモデルと比較しても実際に大きな変化はない。より短い時間枠で作業しているだけだ」

 2021年の最終戦『バサースト1000』で初お披露目されて以降、サスペンションを中心にあらゆるメカニカル・コンポーネントのアップデートを受けてきたGe3規定車両は、公式テストでのオイルタンクとアンチロールバーの確認に続き、各イベントのデモラン兼任セッションでも制御コンポーネントの承認が続いている。

 先週のベンド・モータースポーツパークでは、Gen3プロジェクトチームがオイルシステムのテストを完了し、今月初めにクイーンズランドで試験導入された新形状の給油システムを含めた登録が進んだ。

 こうした流れを経たペース製の最初のシャシーの納入は、Gen3規定モデルの設計から製造まで、約2年間にわたるプロセスの完了を意味してもいる。

「我々の製造チームにとって、もっとも重要な部分は計画だ。キットであれ部分的なビルドであれ、完成したシャシー・ビルドであれ。製品の配送とそのスケジューリング、および部品の準備が整ったときに必要なロジスティクスこそが生命線だ」とチェプニッチ代表。

「カスタマーを満足させ、すべての人に公平であることが非常に重要で、それこそが我々にとっての信用なんだ。技術的な観点から言えば、シャシーの精度を保ち、一貫性を持たせ、指定されたものに可能な限り近づけることがもっとも重要な要素だね」

フォード陣営のDick Johnson Racing(DJR)や、GMシボレーのTriple Eight Race Engineeringなど、各陣営でホモロゲーション登録チームに指名されたファクトリー系2チームがテストを受け持つ
シボレー・カマロにはGM製の5.7リッター、フォード・マスタングにはフォード製5.4リッターのユニットを搭載。現在は北米のベンチで耐久信頼性テストが続く

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