静岡県の伊豆半島に上陸した台風8号の影響で河川が氾濫し、住宅が浸水する被害などを受けた静岡県松崎町では、住民らが土砂の撤去作業を行なっています。夏には多くの観光客が訪れる地区でもありますが、民宿施設などは宿泊の予約を断らなければいけない状況です。
一夜明けても、泥のかき出し作業に追われる住民たち。8月13日の夜、台風8号が伊豆半島に上陸した影響で、松崎町雲見地区では太田川が氾濫し約30世帯が浸水する被害を受けました。
＜天野貴弘カメラマン＞
「こちらのお宅では、家の中まで泥が入ったということで、畳を上げて泥の清掃をしています」
15日も朝から住民らが、住宅に入り込んだ土砂の撤去などにあたりました。
＜被害を受けた民宿庄兵衛＞
「もう全然水が出ないから、進まないです。とりあえず、やることやらないとならないので、やるだけです。ひたすら」
また、台風8号の影響で70世帯が断水していて、15日は東伊豆町から新たに給水車2台が用意されました。
＜断水した住宅の人＞
「普段出るのが当たり前になっているので、とても不便です」
水道管の破損に加え浄水場も泥をかぶり、水道水に泥が混じるのを防ぐため、15日朝から町の職員らが泥を掻き出す作業も行なっています。しかし、現時点で、断水の復旧のめどはたっていません。
また、松崎町の深沢町長が15日、氾濫した太田川を視察に訪れました。
＜松崎町深沢準弥町長＞
「1番の稼ぎ時がお盆の周辺なので、コロナの行動制限がなくなって初めてのお盆ということで、みんな期待の気持ちを持って過ごしてきたところだと思うので、非常につらい思い」
海水浴場や温泉が自慢の雲見地区、7月、8月には、例年多くの観光客が訪れています。しかし、海水浴場まで泥水が流れ込み、海岸にゴミもあふれ、海水浴場のうち半分を閉鎖しています。
また、雲見地区ではこんなところにも被害が。
＜漁師の温泉民宿「太郎」鈴木とし子さん＞
「お湯は、外に温泉の管が通っていて、そこで2つに分けて、1つはここから出る。今は、出ないです。もとで止めちゃってるみたい」
太田川沿いの温泉管のパイプが破損し、65軒の温泉の供給が止まってしまいました。このうち、30軒は民宿施設、書き入れ時に大きな痛手です。
こちらの民宿では、8月25日まで予約が埋まっていましたが、9月上旬までの予約を断り、9月以降の再開の見通しもたっていません。
