熱海土石流“盛り土撤去”計画書提出せず 業者が静岡県に伝える重大な疑義あると裁判起こす考えも

2021年7月に静岡県熱海市で起きた土石流災害をめぐり、土石流の起点に残された盛り土を撤去するよう、静岡県から求められていた神奈川県の業者が撤去の計画書を提出しないと静岡県に伝えていたことが分かりました。

静岡県盛土対策課によりますと、盛土のある土地を以前所有していた神奈川県小田原市の不動産管理会社は、8月15日午前、代理人弁護士を通じて、静岡県に対し撤去の計画書を提出しないと伝えてました。

この業者側は、静岡県が出した措置命令の内容に重大な疑義があると主張したうえで、命令の取り消しを求めて裁判を起こす考えも静岡県に伝えてきたということです。

熱海市伊豆山で起きた土石流では、起点にあった盛り土が被害を甚大化したとされ、現在も不安定な状態の土砂がおよそ2万立方メートル残ったままで、静岡県は8月1日に新たな盛り土規制条例に基づき、業者側に土砂の撤去を命令していました。

静岡県は8月15日までに撤去の計画書を提出するよう求めていましたが、業者側はこれを拒否。9月5日までに撤去に着手しない場合、静岡県は強制的に土砂を撤去するための本格的な検討に入ります。

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