環境省の「名水百選」として知られる秦野市の湧き水を市内外にPRしたいと、ラーメン店「味乃大久保」(同市菩提)が今年から「かき氷」に名水を取り入れた。高さ30センチ超の大きさも相まって人気が広がっているという。店主の小野瀬幸弘さん(51)は「周りの飲食店にも広がり、将来的に『名水かき氷巡り』ができるようになれば」と期待する。
同店では長年、炊飯やみそ汁などに名水を使ってきたが、「名水の魅力に気づいてほしい」と、数年前から提供を始めたかき氷に白羽の矢を立てた。
使う氷は小野瀬さんが名水スポットの湧き水からくんだものを煮沸し、1日半冷凍庫でじっくり凍らせたもの。専用の機械を使って薄く削ることで細やかな氷層とふわふわで口溶けのいい食感を生み、湧き水のまろやかな風味を楽しむことができるという。
「驚きと歓声を聞きたくて、やるうちに年々大きくなっちゃった」と、提供するかき氷は当初の高さ約20センチから約35センチに巨大化。今ではかき氷を目当てに来店する客もいるといい、小野瀬さんは「名水の魅力を知ってもらえればうれしい」とほほ笑んだ。
「秦野名水かき氷」は550円。数種類のシロップがかけ放題になっている。