南高愛隣会元理事長・田島さん送る 親族や職員ら、しみじみと

「なまいどー」のかけ声に合わせ、切り子灯籠に彩られた精霊船を引く田島さんの親族や愛隣会職員ら=島原市弁天町2丁目

 障害者福祉の「先駆者」と呼ばれ、昨年8月に76歳で亡くなった社会福祉法人南高愛隣会元理事長、田島良昭さん=長崎県島原市古丁=の精霊船は、同市内で親族や愛隣会職員らに送られた。
 田島さんは1977年、古里の南高瑞穂町(現雲仙市)に南高愛隣会を設立。知的障害者の就労支援や少人数で生活するグループホームの仕組みを全国に先駆けて実践した。十分な福祉サービスを受けられず罪を繰り返す「累犯障害者」らの支援にも尽力。司法と福祉の連携を進める原動力となった。
 親族や職員らは、在りし日の田島さんの笑顔や言葉を思いながら、伝統の切り子灯籠を飾り付けた船を流した。長男で現理事長の田島光浩さん(48)は「最後に皆で集まって盛大に送り出せた。父も喜んでくれているかな」としみじみと話した。


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